多摩北部に位置する昆虫バカセフィールド
では4月中旬、ヤナギやクヌギがほのかに甘
い匂いを漂わせ始めました。
そこには、まずヨツボシケシキスイが集ま
っていました。オオスズメバチの女王も!
つぎはコクワガタか?ヒラタクワガタか?
それとも意外にもノコギリクワガタか?
一日の締めくくり夜の昆虫ウォッチングに
も熱が入ります。
2023年4月14日夜 18時50分 現在の気温は17度、じっとしていると寒く感じるものの、ヤッケを着て歩き出すと暑く感じます。「これなら今年の”クワガタウォッチング”初日が出るかな」と期待を寄せながら、ヤナギ林をウォッチングしました。
お目当てのヤナギを目指し草原を歩んでいると、クビキリギス・緑色の雌が見つかりました。今年 鳴き声を辿って見たクビキリギスは現時点で全て褐色でしたが、偶然見かけたこの雌は緑色でした。
毎年クワガタが多く集まるヤナギ数本を確認すると、その殆どの僅かに樹液が浸み出ているところでヨツボシケシキスイが見つかりました。
つぎに川縁のヤナギをウォッチングしました。3月末に樹液が白く浸み出て(気になって)いたところはやや乾き気味でしたが、フクラスズメらしき蛾がとまっていました。
その上の二股に枝分かれしたところの裏側が(樹液が浸み出ていて 何か居そうで)あやしいため、(クワガタが顔を出さないか)しばらく眺めていましたが、蟻とやはりフクラスズメらいい蛾が顔を覗かせただけでした。
2023年4月19日昼 今日は肌寒かった昨日とは打って変わり急激に最高気温が上昇しました。15時頃、気温は24度。
川縁のヤナギを覗くと、気になっていた樹液で今年初めて、シラホシハナムグリが見つかりました。
しばらく眺めていると、こんどはコメツキムシらしきフォルムが現われました。
住宅脇の昆虫達の飲み屋(がある森)を覗くと、毎年クワガタで繁盛するクヌギの樹液に、ヨツボシオオキスイが群れていました。
そのすぐ下の幹には、オオスズメ女王蜂が一心にかじりついていました。
河原のヤナギ(A)では、やはりオオスズメ女王蜂が白い樹液を吸っていました。
別のヤナギ(F)はどうか? ずいぶんと緑が濃くなってきましたが、
ものすごい量の樹液が浸み出ていました。しかし、昆虫の姿はありませんでした。
2023年4月19日夜 夜はどうか?、クワガタが見つかる可能性は高いと思っていましたが、川縁のヤナギ→シラカシ→ヤナギ林を巡るも殆ど昆虫には出会えず、
昼間、ヨツボシオオキスイが群れていた昆虫達の飲み屋のクヌギの樹液で、今年初めてクワガタを確認しました。コクワガタの雌です。昆虫バカセが樹上でクワガタを見つけた最も早い記録を4日更新しました。
では 昼間、すごい量の白い樹液が浸み出ていた河原のヤナギはどうか? しかし、白い樹液では 意外にも昆虫は見つからず、枝先でシラホシハナムグリが見つかりました。
もう一度 昆虫達の飲み屋のクヌギの樹液を覗くと、(雄も来ていないかと期待しましたが)面子は変わりませんでした。
2023年4月23日昼 11時頃、気温は18度 ボタン園のボタンの花々には、多くのヒメ(あるいはツヤ)コガネが集まっていました。奥さんはボタンの花を観賞していましたが、昆虫バカセはコガネムシを観察していました。
その中に1匹、モフモフとしたライトグリーンのコガネムシが見つかりました。一瞬 新種かと思いましたが、よく見ると全身に黄色い花粉を纏っているだけでした。脚元もだぶだぶし、まるで(昭和の)ルーズソックスを履いているようでした。
2023年4月25日夜 19時30分頃、気温は14度 ”昆虫達の飲み屋”のクヌギを覗くと、いつものように多くのヨツボシオオキスイとキノカワガ、ウンモンクチバが2匹訪れていました。しかし、クワガタの姿はありませんでした。昆虫バカセの経験上、クワガタが樹上でで活動する限界気温は16度なので、今日は無理か?
2023年4月27日夜 19時50分頃、気温は16.5度 ”昆虫達の飲み屋”のクヌギを覗くと、今夜はコクワガタの雌が訪れていました。頭を低くして狭い樹液を優先的に舐めていました。そのため、キノカワガはうまく樹液を吸えていない様子でした。
コクワガタには、脚や前羽に白いものが付着しています。以前、ヤナギの樹液に居たのでしょうか?
つづいて、河原のヤナギをウォッチングしましたが、クワガタの姿はありませんでした。ヤナギAには白い樹液が浸み出ており、そこに直径8mmぐらいの穴か開いています。ボクトウガの幼虫が潜んでいるのでしょうか? 醗酵臭も漂っていました。もう少し気温が上昇すれば、クワガタが飛翔して訪れるかもしれません。
2023年4月28日夜 19時15分頃、気温は18度 川縁のヤナギの例の樹液を覗くと、黒く見える甲虫の姿がありました。その時は正体が分りませんでしたが、後で写真を確認するとヨツボシケシキスイでした。この木では、(昆虫バカセにとって最も早い時期 2021年)5月8日にノコギリクワガタを確認しているので、そろそろ そのイメージが脳裏に浮かぶのですが、未だやや時期尚早でしょうか。
つづいて 19時30分頃、ヤナギ林を覗きました。まず可能性を感じる枝先のヤナギを覗くと、1つの洞を出入りするコクワガタの雄が見つかりました。
さらに その下の幹では、幹を徘徊するコクワガタの比較的立派な、新成虫でしょうか 綺麗な雄が見つかりました。今年、ここでは初めてみたクワガタ達です。
19時40分頃、シラカシを覗くと、一瞬クワガタか?と思いましたが、昆虫シーズン開幕と閉幕時に目につく”いつものやつ”(ユミアシゴミムシダマシ)でした。
つぎに 20時頃、”昆虫達の飲み屋”のクヌギを覗くと、今夜はコクワガタのペアが確認できました。雌は前羽の同じところに白いものが付着しているので、昨夜の個体です。ということは、この雌の存在を感じとって雄がやってきたのでしょうか、4月にペアで存在するクワガタを見たのは初めてです。
昆虫バカセが突如 強いヘッドライトをあてたため(悪かった!ごめん)、2匹は一瞬驚いて樹液の周囲を右往左往しましたが、
雄はすぐに雌にちかづき、
エスコートするように(昆虫バカセの視線など気にせず)覆いかぶさりました。
2023年4月30日夜 19時頃、気温は19.5度 霧雨 ”昆虫達の飲み屋”のクヌギの樹液を覗くと、今夜はコクワガタの雄1匹と雌2匹が訪れていました。雄は一昨日の彼、その彼と仲睦まじいのは一昨日とは別の彼女、やや離れて元カノが居ました。
2023年5月1日夜 19時過ぎ、気温は17.5度 先ず ヤナギ林をウォッチングしました。枝先のヤナギを枝伝いに降りた幹に、コクワガタの雄が這っていました。体長は50mm近くある綺麗な雄です。たぶん 4月28日に見た個体ですが、コクワガタでこれほど立派な個体にはそう出会えません。
ヤブキリの幼虫がヤナギの幹を上がっていました。今年、初確認しました。
くねくねしたヤナギの小さな樹液には、コクワガタのペアが訪れていました。結局 ヤナギ林では、計5匹(4♂1♀)のコクワガタが見つかりました。
つづいて 川縁のヤナギをウォッチングしました。この時期は枝を這い回るクワガタもよく見るので、幹や枝を凝視すると、クワガタではなくアカズムカデが見つかりました。
つぎに 昆虫達の飲み屋の森のクヌギの樹液を覗くと、今夜はコクワガタの♀がまた1匹増えて3匹になっていました。この雄はやや小柄ですが形が良く、雌にとてもモテルようです。
体色がやや赤い雌にちょっかいを出したり、
やや大柄な雌に近づいたり、かなりのプレイボーイです。
2023年5月2日夜 19時頃、気温は17度 昆虫達の飲み屋の森のクヌギを覗くと、今夜は今までと別のコクワガタの雄と、昨夜の体色がやや赤い雌が居ました。
そのすぐ下の樹皮の裂け目にも、コクワガタらしきクワガタが入っていました。どうやら クワガタの夏が本格的に、少なくともこの森のこの木では始まったようです。
2023年5月3日夜 19時10分、気温は18.5度 昆虫達の飲み屋の森のクヌギを覗くと、樹液にはコクワガタのペアが居ました。雄は昨夜とは別の個体です。
根元に近い樹皮の下には、コクワガタの雄1匹と雌2匹が潜んでいました。昆虫バカセには、丸見えでしたが!
今夜は、街中で新たに発見した、凄い醗酵臭を漂わせているコナラの大木にも立ち寄りました。頭上の樹液では オオスズメ女王蜂が、他で見た状況と同様に幹をかじるような仕草を断続していました。
目線の位置にある樹液には、シラホシハナムグリが2匹集まっていました。今後、注目したい木です。
2023年5月4日昼下がり 16時、気温は25度 川縁のヤナギを覗くと、いつもと違う樹液を上と下から囲むように中国原産のアカボシゴマダラと、日本固有種のサトキマダラヒカゲが仲良くテイータイムを楽しんでいました。アカボシゴマダラは今や、昆虫バカセフィールドの樹液では最もよく見かける蝶です。サトキマダラヒカゲもそれについで多く見かけます。この時期はまだ、スズメバチ(働き蜂)もカマキリも生まれてなく、クワガタも殆ど居ないため、悠々とくつろいでいる様子でした。蝶に国境はないようです。人間界における両国の長もこのように、仲良くできないものでしょうか?
昆虫達の飲み屋の森のクヌギでは、この時間はまだ開店していないのか、いつもの樹液がどの位置にあるのかすら分らないほど閑散としていました。どうやらまだ暖簾を下ろしているようです。
辛うじて樹皮の下には、従業員らしきコクワガタが1匹昼寝していました。
2023年5月4日夜 19時30分、気温は21度 昆虫達の飲み屋の森のクヌギでは、やはり今夜も(雄2匹、雌2匹)計4匹のコクワガタで繁盛していました。日が暮れると繁盛するところは、人間界(の飲み屋)と同じです。小さな雄と普通サイズの雄2匹が、共に大柄な雌1匹を奪い合っている様子でした。クワガタ界では、大柄の雌がモテルようです。飼育した経験では、産卵数は体の大きさにほぼ比例するので、彼らはそのことを本能的に感じているのかもしれません。
街中の醗酵臭が漂うコナラには、やはり コクワガタが訪れていました。
今後当座の興味は、今年はいつ ノコギリクワガタとカブトムシが樹上に現われるのか? それぞれの記録は5月8日、15日であり、現われそうな舞台は複数揃ってきたので、そろそろ出会いたいのですが・・・
2023年5月5日夜 19時30分、気温は21.5度 昆虫達の飲み屋のクヌギの樹液では、ちょうど コクワガタの普通サイズの雄が小型の雄を大顎で下へ追いやり、樹液に戻るところでした。戻ったところを撮影しました。凄い勢いで追いやっていました。
樹液に戻った雄は、何か勝ち誇った強気の表情を見せていました。
19時50分頃、街中のコナラの大木を覗くと、目線より1.5m程上にある樹液で、コクワガタのペアが見つかりました。
20時過ぎ、河原のヤナギをウォッチングしました。ヤナギAのボクトウガが空けた穴には、頭を突っ込んだクワガタが見つかりました。体色が赤っぽいので ”ワンチャン” ノコギリクワガタの可能性もあるので一旦確保を試みましたが、穴の奥へ逃げられてしまいました。
ヤナギHでも、樹液でコクワガタの雄が見つかりました。河原のヤナギでも、コクワガタのシーズンは始まったようです。
今夜は、ノコギリクワガタの発見を目標にしていましたが、それは適いませんでした。ノコギリクワガタは基本的に(従来の概念では)6月末頃発生しますが、温暖化が進む近年はそれが1ヶ月ほど早まっているように感じています。それにしても、まだ時期尚早でしょうか。
一方コクワガタは近年、5月初めから活発に活動し始めるようです。
2023年5月6日夜 19時20分頃、気温は22度、南西の風が強く吹く中、昆虫達の飲み屋のクヌギでは、昨夜と同じコクワガタの普通サイズの雄と小型の雄が、1匹の雌をめぐって争っている様子でした。しかし 昨夜とは状況が違い、樹皮下にいる雌の上に小さな雄がいて、その上から迫ろうとする普通サイズの雄は樹皮が邪魔で、それ以上近づけないようでした。体が小さい方が有利な場合もあるようです。
19時50分頃、街中のコナラの大木を覗くと、目線の位置にコクワガタの雌(写真)がいました。1mぐらい上には雄もいます。
木の裏側を覗くと、目線の位置に1匹、目線より1.5m程上に2匹、コクワガタの雄がいました。
上の2匹は共に普通サイズで、しばらく観察していると、樹液をめぐって争いを始めました。今夜この木だけでコクワガタ5匹、日に日に集まるクワガタムシの数が増えてきました。
2023年5月8日夜 19時50分、気温は14.2度 雨上がりのひんやりする夜、昆虫達の飲み屋のクヌギには、お客さん(昆虫達の姿)はなく、閑古鳥が鳴いていました。
20時10分頃、気温14度 街中のコナラの大木を覗くと、やはりクワガタムシの姿はなく、ただ1匹 オオヒラタゴミムシが樹液を吸っていました。
2023年5月9日夜 19時15分、気温は15.1度 昨夜より約1度高い。昆虫達の飲み屋のクヌギには、テーブル(樹液)にお客さん(昆虫達の姿)はなく、樹皮下には昨夜はなかったコクワガタ雄の姿がありました。
19時40分頃、気温14.9度 街中のコナラの大木を覗くと、幹の裏側 頭上1mほどの樹液近くに2匹のコクワガタの雄がいました。
昆虫バカセが感じている、クワガタが樹上で活動するボーダー気温16度には 約1度足りませんが、このコナラが発する強烈な醗酵臭が、2匹のコクワガタを彼らにとってやや寒いにも関わらず、惹きつけたのかもしれません。
それにしてもクワガタムシは、”地域”や”森”単位ではなく、”木”単位で見つかる昆虫だとつくづく感じます。凄い(樹液の浸み出方が凄い)木であれば、そこが如何に街中でもクワガタは集まってきます。
2023年5月10日夜 19時20分、気温は17.1度 昆虫達の森の飲み屋のいつのもクヌギ(A)を覗くと、樹液は枯れていて、周囲をクロゴキブリが這っているだけでした。その下の樹皮下にも、クワガタは潜んでいません。幹を見上げると、(「おかしいな~、飲み屋があったはずなのに」とでも言わんばかりに)コクワガタの雄1匹がうろうろ徘徊していました。
クヌギやコナラ、シラカシなどの樹液はずっと出続けるのではなく、気温が低下して止まったり、気温が上昇して止まったりします。毎年出るわけでもありません。昆虫バカセは その年その時期ごとに、ランニングしながら樹液の出具合を事前調査しています。
ここ(クヌギA)が閉店したので他をあたると、クヌギCの(おそらく樹液で)黒ずんだ場所で、立派なコクワガタの雄が見つかりました。
19時45分頃 気温17度、街中のコナラの大木を覗くと、正面では、オオスズメ女王蜂、シラホシハナムギリ、コクワガタ2匹が見つかりました。
背面を覗くと、コクワガタが3匹程、その下にシラホシハナムグリが3匹、さらにその下にキマダラカミキリのペアが見つかりました。
キマダラカミキリは過去に見た記憶はありますが、ここ3年間では初めてです。
シラホシハナムグリは、越冬した個体だと思います。大勢でもケンカは殆どせず、仲良く樹液を吸います。
背面から90度左(正面から90度右)に回ると、コクワガタの雄3匹がはっきり確認できました。
この木は、しばらく興味深いです。
2023年5月11日朝 9時10分、気温は19度 川縁のヤナギを覗くと、蝶が複数匹舞っていました。しばらく観察していると、幹にとまりました。”ワンチャン”希少種のコムラサキかと思いましたが、サトキマダラヒカゲでした。
やや大型の蝶が樹液にとまりました。やはりアカボシゴマダラでしたが、今頃(春)生まれた個体はアカボシがありません。”さしずめ”シロボシゴマダラです。
<参考>夏に生まれたアカボシゴマダラはここを
クリックしてください!
ヤナギ林のヤナギの枝先には、美味しそうな白い樹液が浸み出ていました。ヨツボシオオキスイなどが集まっていました。夜が期待できそうです。
2023年5月12日夜 19時30分過ぎ、気温は17.3度 昨日は雨 ヤナギ林のヤナギの枝先の白い樹液には、コクワガタの雄が吸い付いていました。
別の枝先にも白い樹液が浸み出ていて、コメツキムシやウンモンクチバ(蛾)が集まっていました。
ウンモンクチバは、昆虫バカセが最接近しても気が付かないのか、白い樹液に夢中の様子でした。ヤナギの白い樹液は、昆虫達にとって特上のスウィーツなのでしょう。
つぎに 昆虫達の飲み屋の森に立ち寄りましたが、飲み屋は閉店状態で、今夜 クワガタには出会えませんでした。
つづいて 街中のコナラを覗くと、今夜もコクワガタ(雄ばかり)が3匹見つかりました(写真はその内の1匹)。
2023年5月16日夜 19時35分、気温は18.1度 雨天続き明け ヤナギ林の枝先のヤナギを覗くと、やや乾燥した白い樹液の周囲で大きなコクワガタの雄が見つかりました。
しばらく枝先のあちらこちらを確認した後、最初の白い樹液近くを再確認すると、樹皮の割れ目に、先ほどの大きなコクワガタが潜んでいました。その上には別のコクワガタも確認できました。
結局 このヤナギの枝先では、コクワガタの雄が3匹見つかりました。
つぎに20時頃 気温は17.1度、川縁のヤナギを覗き、枝先を凝視しましたが、昆虫はこの(種類は不明の)蛾のみでした。
つづいて20時20分頃 気温は16.7度、近づくと「ぷ~ん」と強烈な醗酵臭が漂う街中のコナラを、まず後面から覗くと何も見つからず、つぎに前面から覗くと”思わず”「お~」と歓声(独り言)が出るほどの迫力を感じました。
目線よりやや上では、オオスズメ女王蜂が2匹と大きなコクワガタの雄が、
さらにそこから1m程上では、コクワガタの雄が3匹、雌が2匹見つかりました。(撮影する前に、雌1匹は地面に落下しました。)
結局 このコナラでは、コクワガタが6匹(雄4匹、雌2匹)見つかりました。今年現時点では、1本の木におけるクワガタ最多記録です。
2023年5月17日朝 9時45分、気温は25度 川縁のヤナギを覗くと、アカボシゴマダラと、樹液で初めて見る赤いベニカミキリが見つかりました。
アカボシゴマダラは、ベニカミキリに樹液を占領されまいと、羽を横一杯に広げて対抗していました。ベニカミキリの幼虫は竹を食します。この辺で竹林はあっかかな?と考えると、対岸にありました。
2023年5月17日夜 日中の最高気温は30.4度、19時35分頃 現在の気温は21度 まず ヤナギ林を覗くと昨夜とほぼ状況は変わらず、枝先のヤナギで2匹、別のヤナギで1匹、コクワガタの雄が(計3匹)見つかりました。
つぎに 川縁のヤナギを覗くと、意外にも昆虫の影が見えません。目線は枝先の上の方ばかりに向くので、あえて下の方を探すと、複数の枝が重なりあった先の樹液で、コクワガタのペアらしき姿が見つかりました。今年ようやくここで(クワガタ確認)初日が出ました。
つぎに 街中のコナラを覗くと、昨夜に増してクワガタの数が目立ちました。特に右側面から覗くと、(写真内に)少なくと8匹のコクワガタらしき姿が確認できます。今夜、この木で計12匹の(おそらく全て)コクワガタが確認できました。この木は 昆虫バカセフィールドで過去 シーズンを通して、(1位)団地前のクヌギ、(2位)クヌギの大木、(3位)シラカシについで 歴代4位の集クワ力です。
<参考>過去-集クワ力No.1(今年は現時点で不毛)
団地前のクヌギ(2021年6月7日)はここを
クリックしてください!
<参考>過去-集クワ力No.2(今年は訳ありで近づけず)
クヌギの大木(2020年7月20日)はここを
クリックしてください!
<参考>過去-集クワ力No.3(今年は現時点で不毛)
シラカシ(2020年9月21日)はここを
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つぎに (街中のコナラ)近くの大きく洞が開いたコナラを何となく眺めると、コクワガタの雄が3匹見つかりました(その内の1匹は〇印)。特に 樹液が浸み出ている感じではないので、不思議です。
2023年5月18日夜 日中は今年、昆虫バカセフィールド最高の気温32.7度を記録しました。19時40分頃、気温は26.2度 南風・風速5m/sの影響か、体感気温は涼しい。まず ヤナギ林の枝先のヤナギをの覗くも、期待していたノコギリクワガタは見つからず、相変わらずコクワガタばかりが見つかりました。しかし、今年初めてハグルマトモエ(蛾)が見つかりました。
つづいて 川縁のヤナギを覗き、昨夜 コクワガタのペアが居た樹液で 大きな(大きく見える)クワガタの影が見え、”ワンチャン”ノコギリクワガタかと凝視するも、コクワガタのペアでした。昨夜と同個体かもしれません。なかなか、2匹目のノコギリクワガタには出会えません。
つぎに 街中のコナラを興味津々覗くと、正面では、コクワガタ2匹とカキバトモエ(蛾)が見つかりました。
右側面では、コクワガタが12匹(写真からも)確認できました。正面の2匹を加えると14匹となり、このコナラは昆虫バカセフィールドで、集クワ力-歴代3位に昇格しました。
特に上の方に多く、9匹が集中していました。
2023年5月20日夜 日中の最高気温は21.7度 19時30分頃、気温は19.4度 涼しく心地よい。まず川縁のヤナギを覗くも、昆虫の気配はりありませんでした。
つづいて、団地前のクヌギを駄目(居ない)だろうと思いながら 念のため覗くと、正面で 早速4匹(↓写真では3匹)のコクワガタの影が目に入りました。
「しまった、開業していたのか」と思いながら 背面に回ると、コクワガタ1ペア、雌1匹とオオスズメバチ(たぶん女王蜂)が仲良く樹液を吸っていました。
この頃のオオスズメ(女王)蜂は、絶対に威嚇してきたり ましてや襲ってきたりはしないので、間近でしばらく眺めていると、コクワガタの雄が新たに現われました。
右側面にも樹液が浸み出ており、そこではコクワガタの雄と今期2匹目のノコギリクワガタの雄が見つかりました。
この木は、昆虫バカセフィールドにおいて、虫を惹きつける力(=集虫力)、特にクワガタを惹きつける集クワ力が歴代-ダントツ1位(21匹)であり、今夜もコクワガタが9匹、ノコギリクワガタが1匹、合計10匹を惹きつけていました。
昆虫達の飲み屋の森やクワガタ達のオアシスでクワガタが出現し始めた 4月21日(この日は不毛)を最後に通っていませんでしたが、知らぬ間にその本領を発揮し始めていました(昆虫バカセとして、不覚でした)。
つづいて 20時10分頃(気温は18.8度)、街中のコナラを覗くと、今夜 コクワガタは4匹しか集まっていませんでした。特に醗酵臭が強烈な背面の樹液が白く湧き出しているところでは、種類不明の体格の割に胴が太い蛾が樹液を独占していました。背後で強いライトを照らしている昆虫バカセに対して、(「まぶしいから止めてくれ」とでも言わんばかりに)警告の羽ばたきを繰り返していました。こんな行動をとった蛾とは、初めて出会いました。
2023年5月22日夜
<クワガタ相撲 鍬馬山 × 豊鍬龍> 19時頃、気温は21.5度 南西の風が風速4m/sと強く、これではヤナギの細枝はしなって駄目(クワガタは落ちてしまう)だろうと、幹が太い団地前のクヌギを覗くと、運良くクワガタ相撲5月クヌギ場所が開催中で、体の大きい2匹のコクワガタ同士が相撲をとっていました。
丁度 片方の関脇-豊鍬龍 が もう片方の関脇-鍬馬山を鋏み持ち上げたところで、「残念、勝負はついたところか!」と思ったこの時から、実に5分程の長い勝負が続きました。両者共草原で(樹液を求めて動き回り)鍛え上げた強靱な脚力と粘りのある腰で一歩も引きません。以下のビデオは、途中カットはしていますが重複はしていません。それでは、1ラウンドから順にご覧ください。(各ラウンドは、繰り返し放映しています。)
-1ラウンド-
ところで 2力士が熱戦中の土俵横では、カップルが仲睦まじくしています。横審があり、品格最重視な人間の角界では考えられないことですが、クワガタの角界ではこのような明け透けな行動が許されており、ある意味(行動のバリアフリー化が)進んでいます。規則やしきたりなどにはてんで無頓着な昆虫バカセもさすがに、”この場でこの行為はいかがなものかな”と首をかしげますが、人間とクワガタの角界それぞれのしきたりを足して2で割ったぐらいが、本来丁度良いのではないでしょうか?
しかし この後、このカップルにもハプニングが生じます。
-2ラウンド-
2ラウンドでは、正攻法で右四つに組み合ったまま、殆ど動かず(と言うより 殆ど動けず)、両者共 後の先を狙っている様子でした。
-3ラウンド-
3ラウンドでは、動き出しました。前半は豊鍬龍がやや押し気味に見えましたが、後半は鍬馬山の強靱な足腰で盛り返しました。両者互角で 甲乙付けがたい戦況でした。それにしても両者共 足腰が粘り強い!
-4ラウンド-
4ラウンドでは、両者一旦離れた後、互いに懐に入られまいと、体勢を(大顎を)低くし、せめぎ合っていました。
その時 後ろのカップルに、彼女を強奪しようとする傍若無人の雄の影が近づいてきました。
-5ラウンド-
5ラウンドでは、両者ふたたび正攻法で こんどは左四つに組み合い、一進一退の攻防が続きました。
後ろのカップルでは、侵入してきた雄に ようやく気が付いた彼が怒り狂って侵入雄に突進し、勢い余って はるか下に離れていってしまいました。
この後、白熱したクワ相撲観戦に熱中した昆虫バカセは、肝腎の結末をビデオに納められませんでした(どうやら録画ボタンを押し忘れたようです)。しかし、ファインダー越しに勝敗はしっかり確認しました。5ラウンド終了のおよそ30秒後、豊鍬龍が鍬馬山をはさみ上げて 木の下に投げ落としました。大相撲の”すくい投げ”といったところでしょうか。今回 大関昇進を目指す鍬馬山にとっては 痛い一敗になりましたが、両力士とも地力があるので、近い将来 大関昇進は間違いないでしょう。
ところで、この後 元のカップルは結局破断になり、彼女は新たな彼と結ばれました。クワガタ界では、このような不倫行為まで許さています。
コクワガタは一見地味そうですが、意外にも同じような体格の雄同士がしばしば 激しく長く戦います。体格が同等以上のヒラタクワガタを差しきった場面にも遭遇しました。ヒラタクワガタは生息数が少なく、雄同士が戦う場面には遭遇したことがありません。また ノコギリクワガタの雄同士が戦う場面にもよく遭遇しますが、短期決戦が多いです。体格が有利な方が一方的に勝負を決める場合が殆どです。
<参考>過去-コクワガタ雄 7月ヤナギの決闘
ヤナギ林-ヤナギの幹(2022年7月8日)はここを
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<参考>過去-コクワガタがヒラタクワガタを差しきった
クヌギの大木(2021年6月7日)はここを
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<参考>過去-ノコギリクワガタ雄・大が小を瞬殺
団地前のクヌギ(2022年7月1日)はここを
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2023年5月24日夜 19時45分、気温は17.9度(前日は終日雨)、まずヤナギ林の枝先のヤナギを覗きました。ヒンヤリしていましたが、ヤナギの緑は濃く生命感を感じました。
枝先を覗いた瞬間、ノコギリクワガタの雄(今期3匹目)を確認しました。今年初の大歯型です。やはり クワガタと言えば、このフォルムだと感じています。
幼少期の夏、母の買い物についていき、雑色商店街の交差点に在った花屋さんの虫籠に入ったクワガタをねだり、たびたび買ってもらった懐かしいクワガタがこのフォルムでした。
すぐ近くに、ヤブキリ雌の終礼幼虫もいました。もう1週間から10日ぐらいで 成虫になると思います。
洞の周辺には、洞を出入りする2匹の比較的大きなコクワガタがいました。
しかし 林全体的に樹液の出が悪いようで、他のヤナギでは、コクワガタがちらほら見つかった程度でした。
つぎに 川縁のヤナギを覗きました。
しかし ここも樹液の出が悪く、凝視した結果、ようやく小さなコクワガタの雄が見つかりました。シロスジアオヨトウも一緒でした。
このシロスジアオヨトウの羽は、ヤナギの木肌に溶け込むような見事な擬態色です。
目が慣れてくると、枝が重なり合った奥の方の幹を歩むコクワガタの雌も見つかりました。
つぎに団地前のクヌギを覗くと、やはりここも樹液の出が悪く、幹ではコクワガタの雄1匹だけ見つかりました。一昨日のクワ相撲を今夜は見られませんでした。
今夜は初っ端が調子良かった以外、全体的に不調でした。街中のコナラも同様でした。今年は5月中旬以降、気温がめまぐるしく上昇/下降を繰り返していて、クワガタ達昆虫の活動が活性/不活性を繰り返していると言うより、樹液を出す木の調子が好/不調を繰り返しているのではないか、それを反映しているのが(見つかる)昆虫数だと感じています。
(好不調)いずれにしても、「今夜はどうかと」とワクワクしながら ポイントを巡りウォッチングする行為自体が、昆虫バカセにとって、夏場の1日を締めくくる癒やしの時間です。
2023年5月25日昼 15時頃、気温は23度 コーヒーブレイク代わりに川縁のヤナギを覗くと、アカボシ(今はシロボシ)ゴマダラのペアがラブソングを唄っていました。
ヤナギ林近くのオオキンケイギクの花弁には、多くの緑(標準)色と茶(オプション)色のコアオハナムグリが集まっていました。
オオキンケイギクは北米原産の外来種で、市町村によっては在来種に悪影響を及ぼすとして駆除対象になっていますが、見た目が綺麗なため人々に観賞用に詰まれたり、花粉が”美味しい”ため 特にコアオハナムグリに愛されたりしています。彼らの一大社交場になり 種の繁栄にも一役かっています。
2023年5月26日昼 今日は 地元の自然保護団体-昆虫保護チームの会合に出席した後、フィールドをウォッチングしながら巡りました。
12時50分、気温は22.8度 日差しの下ではかなり暑く感じます。団地前のクヌギを覗くと、今年初めて ルリタテハが見つかりました。近くに シロオビキリガもいました。
14時10分頃、気温は22.1度 昆虫保護チームのメンバーの方々がよく出かける雑木林Gを初めてウォッチングすると、通りすがりの樹木の木肌が微かに動きました。凝視すると、ヒゲナガカワトビゲラが木化けするかのように潜んでいました。
2023年5月26日夜 19時30分過ぎ、気温は18.9度 街中のコナラを覗くと、コクワガタは多く見つかりましたが、お目当てのノコギリクワガタは見つかりませんでした。
今夜当たりからノコギリクワガタが一斉に発生すると予想した 昆虫バカセの勘は、外れました。思いの外、気温が上昇しなかったことが敗因だと考えています(言い訳)。
初めて見る蛾;ノコメセダカヨトウもいました。
2023年5月27日夜 20時10分頃、気温は19.5度 街中のコナラを覗くと、今夜も計7匹のコクワガタが見つかりましたが、ノコギリクワガタは見つかりませんでした。
右側面の幹には、コクワガタのペアの直ぐ下で、ダブルデートを楽しむかのように、キマダラカミキリのペアも見つかりました。
今年のように5月の樹液を重点的にウォッチングした2021年は、この頃からノコギリクワガタが一斉に出始めましたが、今年は5月後半の気温が平均的に低いためか、そうではなさそうです。気温が原因ならよいのですが、河川敷の大規模な護岸工事が原因(で発生数そのものが現象している)なら残念です。6月過ぎの状況を確認したいと思います。
<参考>2021年5月 樹液に集まる主要な甲虫の発生状況<はここを
クリックしてください!
2023年5月28日夜 19時30分頃、気温は20.1度 雨が降る前だからなのか、やや蒸し暑く感じる中、街中のコナラを覗くと、幹のあちらこちらでコクワガタが見つかりました。側面では、キシタバ(蛾)を挟んで上にコクワガタの雌、下にコクワガタの雄がいました。
キシタバはフラッシュに驚いたのか、飛び立ちました。そして、背面(目の前の幹)にとまりました。鮮やかな黄色の模様が綺麗です。樹液で毎年見る蛾で、今年は初めてです。
帰路、初めての道を歩いていると、”ぷ~ん”と醗酵臭が漂ってきたので 横を見ると、クヌギの木があり、根本付近に”べっとり”と蜂蜜のように樹液が溜まっていて、そこにコクワガタの雄が吸い付いていました。
今後、チェックポイントに加えようかと思います。
昆虫バカセは ランニング中やウォーキング中に、醗酵臭を感じとることで、クワガタを引き寄せる木(ポイント)を見つけます。今回のように歩いて感じる場合はCランク、息が軽く切れる程度のジョギング中に感じる場合はBランク、タイムを意識したランニング中でも感じる場合はAランク、シーズン中は舗装道路だけではなく、なるべく森や林の中を動く(クロスする)ようにしています。ちなみに、街中のコナラはBランク(実力はAランク)です。
2023年5月29日夜 19時20分頃、気温は19.8度 雨(本降り)街中のコナラを覗くと、幹にはコクワガタが点々と(計8匹)付いていました。右側面頭上1m程の樹液には、コクワガタの雄と雌が陣取っていました。
正面には、オオスズメ(たぶんまだ)女王蜂が樹液に夢中でした。この角度で撮影すると、民家の窓から灯りが入ります(民家に迷惑にならないよう、気をつけています)。
この木に関して、木肌は余り濡れてなく、雨の影響は殆ど無いと感じました。
つづいて19時40分頃 団地前のクヌギを覗くと、まず正面で比較的大きなコクワガタのペアが見つかりました。
洞が開いたコブの中と上には、10匹前後のコクワガタが群れていました。
しばらく観察していると、小さな雄同士が決闘し始めました。すかさず片方がもう片方をはさみ持ち上げましたが、投げ落とそうとはせず、力の強さをアピールしているだけなのか、見方によっては”いじめ”のようにも見えました。クワガタの世界にも”いじめ”はあるのでしょうか?
幹の下の方では、コクワガタ普通サイズのペアも見つかりました。
さすが 集クワ力歴代1位のクヌギです。ここも雨本降りの影響は無さそうです。
この雨では 幹が細く葉も細く、雨が幹を濡らしやすいヤナギは無理だろうと思いましたが、この際だから確認することにしました。20時頃、ヤナギ林の枝先のヤナギを覗くと、やはり幹や枝は”ビショビショ”で「居ないな」と諦めかけた時、幹の下側-乾いたところで、コクワガタのペアが見つかりました。
その他のヤナギでも、幹を伝わる雨筋の合間-乾いたところで、コクワガタのペアが見つかりました。
本降りの雨の中でも、条件の良い木には クワガタが集まるようです。本降りの雨にも負けず、クワガタと昆虫バカセは頑張っていました。
2023年5月30日夜 19時30分頃、気温は20.3度 まず 団地前のクヌギをウォッチングするも、数匹のコクワガタが点々と見つかっただけで、不思議と昨夜・雨中のような賑わいはありませんでした。
つぎに19時50分頃、ヤナギ林をウォッチングしました。枝先のヤナギを覗くと、昨夜と同じ樹液で(たぶん)同じコクワガタのペアが見つかりました。
他には居ないか?と凝視すると、ボクトウガが作ったと思われるコブのように膨らんだ部分の洞に 頭を突っ込んだノコギリクワガタの雄と、洞の中でノコギリクワガタの雌が見つかりました。
雄は、強いライトを至近距離で照らしても全く動きません。中の雌に気をとられているようです。
その他のヤナギでは、今飛んで来て着幹したばかりと思われる立派な大顎をもったノコギリクワガタの雄が見つかりました。少し離れたところにある樹液の匂いに誘われたのでしょう。
幹がくねくねと曲がったヤナギでは、小さなノコギリクワガタの雄が細い枝を”つなわたり”するように伝って、樹液に辿りつきました。
その他の洞があるヤナギでは、今まで(過去数年間)存在した洞が消滅し、新たにできた洞とその周囲で コクワガタの雄2匹が見つかりました。洞の発生、消滅はボクトウガの幼虫の(他の昆虫を誘き寄せて食べようとする)”殺る気”次第なのでしょうか?
この後 川縁のヤナギ、雑木林G-ランクCのクヌギを覗くも、それぞれコクワガタの雄1匹が見つかっただけでした。つぎに クワガタ達の(断末魔の)オアシスに向かいました。
つづいて20時50分頃、気温は19.9度 街中のコナラを覗くと、早速ノコギリクワガタの雄が目に入りました。近くにコクワガタの雄とキマダラカミキリもいました。ここで、コクワガタ以外のクワガタを初めて確認しました。
しばらく観察していると、コクワガタとキマダラカミキリは去り、キシタバが飛んで来て、上羽を最初は半開きにしていましたが、そのうちに閉じてしまいました。横にいるノコギリクワガタに対して 萎縮したのでしょうか? キシタバが上羽を閉ざすと まるで別種の蛾のようです。
キシタバは、コナラの周囲でもう1匹舞っていました。今夜はキシタバを多く見かけました。キシタバの幼虫はフジの葉、あるいはコナラの葉を食べて育つとされています。この辺ではフジは見かけないので、おそらくこのコナラや この辺りに点々と生える他のコナラの木で発生していると思います。
つづいて先日見つけた街中のクヌギの根元付近のハチミツ状の樹液を覗くと、「え、まさか こんなところで」と思いましたが、ここでもノコギリクワガタの雄が見つかりました。
今夜はノコギリクワガタをヤナギ林-3本のヤナギで4匹、コナラで1匹、クヌギで1匹計6匹確認できました。ノコギリクワガタは今までの経験上、ヤナギの甘い樹液を最も好むようです。今夜 ノコギリクワガタ前線が到来し、どうやらノコ入りした(ノコギリクワガタのシーズンに入った)と思われます。この気象庁が重用する便利な表現なら、もし外れても無難です。
2023年5月31日昼
<ノコギリクワガタの超能力> 15時頃、気温は21度、涼しい。昨夜のノコ入り(ノコギリクワガタがシーズン入り)宣言が正しいか否か確認するため、川縁のヤナギを訪れました。正しければ、昼時でもノコギリクワガタが見つかるはずです。しかし、従来のノコ入り時期概念(6月末~7月初)からすれば、涼し過ぎると感じ、”これは無理(居ない)かな”と思いつつ、ウォッチングしました。まず 大雑把に目立つ幹や枝を確認しましたが、何も見つかりません。つぎに 枝先を1本づつ凝視すると、「あれっ、もしや」望遠レンズで覗くと、ノコギリクワガタ大歯型の雄でした。
この位置からファインダーを覗くと逆光になり、影絵のようなクワガタのシルエットしか写りません。
近くで蝶も舞っています。どうやらコムラサキです。今年初確認です。
幾重にも折り重なったヤナギの枝の隙間を縫って撮影するためオートフォーカスが効かず、さらに望遠レンズが長く 支える腕に曲げモーメントが作用し 非力な腕が震えるため、うまくピントが合いません。
逆光にならないよう、クワガタに対してやや見下ろせる位置まで、土手を上って後退し、改めて撮影しました。
はっきり写ると、どうやら雄の下に雌も居そうです。拡大すると、やはり雌がいました。
さらに コムラサキが舞い、止まったところを目で追うと、もう1匹雄が居いました。
こちらも、雄の下に何か居るみたいです。ここからでは良くわからないので、場所を移動して撮影し直しました。
拡大すると、雄の下にはやはり雌がいました。
昨日5月30日の”ノコ入り”はほぼ間違いことが分りました。さらに ノコギリクワガタの個体数が少ないこの時期に、見つかった2匹の雄がどちらもペアを成していたことに大変驚かされました。
ノコギリクワガタの雄が飛んで来て、広大なフィールドの中に無数にあるヤナギの幾重にも分岐した枝先の極々一部に居る雌のところへ、いつ(何時頃) 何を頼りに どうやって ピンポイントで辿りつくのか? 超能力と言っても過言では無いと思います。途方も無いノコギリクワガタの能力には脱帽します。この謎を解き明かしたいものです。
知られざるノコギリクワガタの習性は
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2023年6月1日昼 11時頃、気温は23度 川縁のヤナギを覗くと、数匹のコムラサキが舞っており、その内の1匹が枝にとまり 羽を畳んで樹液を吸っていました。
しばらくすると、羽を広げました。全体的に黄色基調が強く、紫基調の色彩が弱いので雌だと思いますが、美しい蝶です。
<参考>雄のコムラサキは
ヤナギ林-枝先のヤナギ(2020年9月8日)はここを
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昆虫バカセフィールドにコムラサキが舞う理由は、幼虫が葉を食し、成虫が樹液を吸えるヤナギが河川敷を中心に多く生えているからです。その観点から、昨今行われている大規模な護岸工事は、ヤナギ等川縁の植物を根こそぎ剥ぎ取りコンクリート化を進めているため、この環境が継続できるのか心配です。
ところで、昆虫バカセフィールドには、オオムラサキが棲息していません。幼虫が葉を食すエノキが多く生え、成虫が樹液を吸える(樹液を出す)クヌギやコナラが多く生えているのに、何故なのか? ずっと疑問を感じていたため、先日 自然保護団体の会合の際、ここ地元に生まれ育った団体長にその理由を尋ねてみました。
団体長が言うには、1964年を最後に、この辺でオオムラサキは確認できていないとのことでした。理由は、里山を利用しなくなったためだそうです。つまり、クヌギヤコナラの木を利用しなくなったため、木が太く堅くなり、シロスジカミキリやミヤマカミキリなど大型のカミキリムシが木に産卵用の穴を空けられなくなり、棲息できなくなった。そして、それらの木から樹液が出なくなった。オオムラサキの成虫が樹液を吸ったり、交際(し交尾)したりする場が失われた期間が数年~10数年続いたことが原因ということでした。オオムラサキやシロスジカミキリは、改めて里山の昆虫であることを認識し、ここ昆虫バカセフィールドは里山不全を来しているを痛感しました。ここで3年間 昆虫ウォッチングしても、シロスジカミキリなど大型のカミキリムシに出会えなかった もう1つの疑問も解けました。
現在は 皮肉にも、クヌギヤコナラの老木にカシノナガキクイムシ(カシナガ)が穴を空け、そこから大量の樹液が浸み出て、クワガタ達の(断末魔の)オアシスを形成しています。もし現在、エノキに多くのオオムラサキの幼虫を放てば、(カシナガに犯された雑木が枯れ果てるまでの)ここ数年間は、オオムラサキが舞い続けられるのかもしれません。
<ノコギリクワガタの知られざる習性>
つぎに ノコギリクワガタを探すと、昨日(約20時間前)と同じ位置で同じペアが見つかりました。
下側の個体、
上側の個体共に、大歯型の比較的大きな雄とそれに釣り合う比較的大きな雌です。同じ場所で一昼夜を経てもなおペアで居座る特徴は、クヌギやコナラの幹では(カブトムシやスズメバチ、その他の昆虫の邪魔が入るため)起こりえず、ヤナギの高いところにある枝先に付くノコギリクワガタに限定されるように思え、
邪魔の入らないヤナギの高いところの枝先で、大きな体格のノコギリクワガタのペアが長時間居座る特徴は、ノコギリクワガタの習性であり、彼らの繁栄に大きく関わっていると感じています。
そう考えると、雄が雌を探して飛んでくるのではなく、より飛翔力に優れる雌が優秀な子孫を残す本能から立派な大きな雄を探して、飛んでくる可能性も”ワンチャン”あるのではないかと推測します。
6月中旬~7月上旬にかけて、日暮れ時(19時頃)~1時間ほどの時間帯は、ヤナギの周囲にノコギリクワガタが”ぶ~ん”と飛んでくるシーンに過去何度も遭遇しているので、今年は蚊に刺されるのを少し我慢して、ノコギリクワガタがどのようにヤナギの枝先でペアリングするのか、見届けたいと思います。
2023年6月2日昼 10時50分、気温は18.7度 強い雨 「あのノコギリクワガタのペア達はどうしたかな?まさかもう居ないような~」と思ったら、確認せずにはいられなくなり、強い雨の中、川縁のヤナギを確認しに行きました。
台風が遠くにあって時折強い風も吹くこの悪コンディションでは、”常識的に居る訳ない”とは思いながら確認するとやはり居ません。しかし もう一度じっくり確認すると、枝の後ろから僅かにハサミのような影が見えました。念のため準備しておいた(サランラップとビニールテープをぐるぐる巻きにして)暫定防水処置を施した望遠レンズ(を装着したカメラ)で覗くと、ノコギリクワガタのペアでした。位置と個体のフォルムから、昨日ここに居た(下側の)個体です。
このペアは、一昨日確認してから2昼夜を経て およそ44時間 ここに居座っていることになります。
ノコギリクワガタの雄と雌が一度出会い交尾を済ませれば、速やかにペアを解消するものとばかり思っていましたが、そうではないようです。長い時間ずっとペアでじっとしている理由は何か? 身近で極メジャーな昆虫ですが、まだ謎が多いとつくづく思いました。
知られざるノコギリクワガタの習性は
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望遠レンズで覗くと、肉眼では見えない(分らない)昆虫も目にとまり易く、オオスズメバチも見つかりました。
2023年6月3日昼 15時頃、気温は24度 川縁のヤナギを覗きました。昨日覗いた時から22時間降り続いた雨は9時頃上がり、その後は晴れ。
昨日 激しい雨の中確認できた2組のノコギリクワガタのペアは、もう居ませんでした。ヤナギはシーンと静まっていて、川は いつもより水量を数倍増し”ごうごう”と音をたてて流れていました。それでも日傘をさして、何となく枝先を見回してました。それだけでも、気持ちが良いものです。
およそ25分後 ようやく変化がありました。周囲を舞っていたコムラサキが枝にとまりました。 川面から反射する太陽光の影響で、羽はステンドグラスのように見えました。
しばらくすると、そこに樹液が出ているようで、サトキマダラヒカゲも(コムラサキと)背中合わせにとまりました。
およそ35分経過した頃から、オオあるいはコガタスズメバチらしき蜂が私の目線からは最も奥の枝の周囲を舞い始めました。何となく、昆虫達の息吹(気配)を感じ始め、そのあたりを凝視すると、黒い影が見えました。肉眼ではこれ以上確認できないため、望遠レンズで覗くと、黒い影はノコギリクワガタの雄でした。昨日2ペアがいた場所よりかなり奥の枝先なので、おそらく昨日の個体ではないと思います。
雄の下に雌もいる可能性があるので、しばらく待って雄の体勢が変化した時に覗くと、やはり雌もいました。
昨日(6月2日)はずっと雨だったため、また雨が上がった後の日中に飛んでやってくることは考え難い(昼間飛翔しているノコギリクワガタを見たことはない)ため、このペアがこの場所に居座ったのは、遅くとも1昨日(6月1日)の夕暮れ19時頃と思え、そうだとして ここに44時間程居座っていることになります。
2023年6月3日夜 20時頃、気温は19.8度、街中のコナラを覗きました。今夜はキシタバが5匹集まっていました。初めて、羽の内(お腹)側を確認することができました。内側は、上・下とも黄色縞でした。ここに色付けしている理由は何でしょうか?必要でしょうか?
激しく降った雨の影響なのか? 見つかったクワガタは、コクワガタ2匹だけでした(写真はその内の大きい方)。
2023年6月4日朝 5時45分、気温は17度。 川縁のヤナギの、昨日ノコギリクワガタのペアがいたところを覗くと、まだいました。これで、このノコギリクワガタはここに58時間程度 居座っていることになります。
雌もいました。
従来、条件の良い洞に潜んだコクワガタやヒラタクワガタが長い時間、そこに居座るケースは想定の範囲でしたが、良き連れ合い(雌)と共に十分な樹液が浸み出るヤナギの枝先に、ノコギリクワガタが50時間以上もの長い間居座る習性を(可能性として)確認できたことは驚きでした。
このペアがいる場所は、蜂が周囲を飛んでいなければ、昆虫バカセでも分らなかったと思うほど、特に探し(見つけ)難い枝先でした。そのような枝先に居座ったノコギリクワガタのペアは、まるで武田信玄のことわざ”動かざることやまの如し”を実践しているようでした。
飼育していると、クワガタ類の中では 最もよく動き回るノコギリクワガタの別の一面が確認できました。
2023年6月5日朝 5時15分頃、気温は17度 川縁のヤナギを覗くと、昨朝見たノコギリクワガタのペアはもう居ませんでした。樹液は、よく浸み出ていました。
木陰の幹には、コジャノメがずっととまっていました。ここで寝ているのかもしれません。
「クワガタの気配はなさそうだな」と思い始めた頃、目の前を大きなノコギリクワガタが飛んでいました。一昨日の雨の影響で川を流れる水の音が大きく、羽音は聞こえません。しばらく目で追うと、目の前のヤナギの葉にとまったので、撮影しようとファインダーを覗いた瞬間、ピントを合わせる間もなく、また羽を広げて(写真)飛び立ってしまいました。
飛んで来たところなのか、飛び去ろうとしていたところなのかは分りませんが、2つの点で驚きました。1つは”明るい日中でも飛ぶ”こと、もう1つは”17度と比較的気温が低い状況下でも飛ぶ”こと。
こんどは、細い枝先にぶら下がるようにとまりました。まだ後羽を仕舞いきれていません。
望遠レンズで 枝を辿るように覗くと、シラホシハナムグリが見つかりました。
こんどは、オオスズメバチらしきがこっちへ向かってきました。一瞬”どきっ”としましたが、私とは5m程の距離が開いているので大丈夫です。
もうこのヤナギの気配は全て感じとった(それでも、これ以上何も見つからない)ので、最後にヤナギのてっぺん部を覗いて、ウォッチングを終了しました。
2023年6月5日夜 今日は久しぶりに夏日 日中の気温は28.5度まで上昇しました。19時50分、気温は22.2度、団地前のクヌギを覗くと、正面の樹液にコクワガタの雄が4匹。
その少し上の樹液に、コクワガタのペア1組と雄が1匹。
洞が開いたコブの周囲にも、コクワガタのペア1組と雄が1匹。
”ワンチャン”カブトムシの本格的な出現を期待していましたが、まだコクワガタ一色でした。
そうしていると、ウォーキング中と思しき男性が、「クワガタですか? こんなに沢山居るんですか?」と驚いたようにライトの先を覗き込んで、声をかけてきました。だいたいの場合は、昆虫バカセがこのようにヘッドライトを照らしてクワガタをウォッチングしていると、”不審者”を警戒するように早足に去っていきますが、この方も変わり者(物好き)なのでしょうか? 「ここは この辺では最もクワガタが集まるところですよ。見てると面白いですよ!」と返すと、その方は「まだ6月に入ったばかりなのに、もう居るんですか?」とさらに驚いた様子で尋ねてきました。「クワガタが出始めてだいぶ、そう1ヶ月半ぐらい経ちますよ」と返すと、その方は「ヘー、そんな早くから~」と口をあんぐりと開けていました。
つづいて 8時10分頃、ヤナギ林に入り、枝先のヤナギを覗くと、早速 ノコギリクワガタの雌が目の前に居ました。ノコギリクワガタの雌が単独で居るところを今年初めて確認しました。直ぐ横に凶暴な(お尻の黒い波模様が特徴の)モンスズメバチがこちらにお尻を向けていたので、私は「ふり向くなよ~、絶対にこっちをふり向くなよ~」と心で念じながら、そっと観察しました。
さらに 枝分かれした枝先には、ノコギリクワガタの中歯型の雄が樹液に吸い付いていました。その横では、コクワガタの標準サイズの雄同士が相撲をとっていました。
さらに 別の枝分かれした枝先には、コクワガタの雄とシロスジアオヨトウ、シロオビキリガが仲良く樹液を吸っていました。ヤナギの枝先が賑やかな季節になりました。
<昆虫バカセフィールドのヒラタクワガタ
2023年4回目の遭遇 6/5 >
その他の洞のあるヤナギの今年できた洞では、洞に頭を突っ込んだヒラタクワガタの雄が見つかりました。体が”テカテカ”しているので、体長はおそらく32mm前後でしょうか。ヒラタクワガタをこの個体で今年4匹目、ヤナギ林では今年 初確認しました。
昆虫バカセフィールドのヒラタクワガタ
2023年5回目の遭遇は
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20時50分頃、気温は20.8度、街中のコナラを覗くと、正面で大歯型のノコギリクワガタの雄が見つかりました。コクワガタの雄、キシタバもいました。
<昆虫バカセフィールドのヒラタクワガタ
2023年5回目の遭遇 6/5 >
さらにその少し上には、ヒラタクワガタがいました。体長40mm強でしょうか。キシタバもいました。
ヒラタクワガタは凄く臆病で、ライトを照らすと、すぐ逃げてしまいます。今日2匹目、今年5匹目、ここでは初めてです。
正面を遠隔で覗くとこんな感じで、ノコギリクワガタは樹液に居座っていますが、ヒラタクワガタは(ライトの届かない)右側面に逃げ込もうとしています。
ヒラタクワガタを 今年は4月21日に初めて確認しましたが、これは特例と考えていて、もともと南方系のクワガタなので、十分に温暖になってから活動し始めると感じています。2021年 ”各クワガタがどの時期に多く見られるか”に着眼してウォッチングした結果、ヒラタクワガタは 昆虫バカセフィールドでは、6月10日~20日のあいだに出現のピークを迎えました。 この時期は、ヒラタクワガタにとって邪魔なカブトムシが一斉発生する6月下旬の一歩手前、つまりカブトムシが不在で かつ 最も暖かい時期ということになります。今後しばらくは、ヒラタクワガタと出会う機会が増えそうで楽しみです。
昆虫バカセフィールドのヒラタクワガタ
2023年6回目の遭遇は
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今年(2023年に)今までに遭遇した
ヒラタクワガタの傾向のページに
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2023年6月6日 5時、気温は17度 川縁のヤナギを期待して覗くも 直ぐには、何も見つかりません。覗き始めて10分ぐらい経過し 目が慣れてくると、細い枝の後ろ側で何となく黒い影を感じ、望遠レンズで覗くと、大歯型のノコギリクワガタが潜んでいました。
さらに拡大すると、その横顔が浮かび上がりました。
雌も居るのか?確認したいのですが、これ以上右に回り込むと崖から川側に落ちてしまうため、左におよそ180度回り込み、望遠レンズで覗くと、枝や葉が重なり合った微かな隙間の先にノコギリクワガタのお尻が確認できました。
さらに拡大すると、おそらくさっきのノコギリクワガタの雄のお尻だと思いますが、雌は確認できません。
今年 ここ(の樹液)で見たノコギリクワガタの雄は全て(4匹共)大歯型で、単独(独身)で居た雄を確認したのは初めてです。
クワガタ達が最も活性なこの時期、自営業を営む昆虫バカセの1日はクワガタウォッチングで始まり、クワガタウォッチングで終わります。
2023年6月7日昼 前日の18時頃~今朝6時頃まで雨、13時、気温は28度。昼休みにヤナギ林のヤナギの枝先を覗くと、さっそくゴマダラチョウが昼休みをとっていました。ヤナギ林で 中国原産のアカボシゴマダラが大半を占める中、在来種のゴマダラチョウに出会うのは、池で アメリカ原産のミシシッピーアカミミガメが大半を占める中、在来種のイシガメに出会う気持ちに近いものがあります。
幹に沿った横長の洞に、大きなノコギリクワガタのペアがはまっていました。普段はコクワガタがよく入っている洞ですが、雄が先に入った雌を追いかけて入ったのでしょうか?
コムラサキも枝の上で羽を畳んで休んでいました。"ワンチャン"羽を広げるのを 傍らにたたずんで待ちました。
羽を広げた一瞬にシャッターを切りましたが、手ぶれしてピンボケになってしまいました。言い訳になりますが、コガタスズメバチが2~3匹ぶんぶん飛んでいたので 集中しきれませんでした。
ここは、シラホシハナムグリの社交場になっていました。
真昼のヤナギの枝先は、夜とは(一部共通点はあるものの)殆ど異なる顔ぶれで賑わっていました。
2023年6月7日夜
<昆虫バカセフィールドのヒラタクワガタ
2023年6回目の遭遇 6/7 >
19時40分、気温は23.5度 団地前のクヌギを覗くと、多くのコクワガタが活動する中で、樹皮の隙間を出入りするヒラタクワガタの小さな雄が見つかりました。今年6匹目、ここでは今年初のヒラタクワガタです。
20時10分頃、気温は23度 街中のコナラを覗くと、右側面でノコギリクワガタの雄とヒラタクワガタの雄が見つかりました。この時点では気が付きませんでしたが、左隅にヒラタクワガタの雌もいました。ヒラタクワガタの雄はおそらく一昨日の個体だと感じました。
この時、比較的大きなクワガタの雌が左隅から ヒラタクワガタの雄がいる中央(雄の下)に這って来て、お尻を出して 交尾を促すような、フェロモンで誘うような仕草を見せました。這い出てきた時点で、そのフォルムと前羽の光沢具合からヒラタクワガタの雌だと分りました。
しかし 彼は樹液に夢中のようで、彼女の方を振り向きません。彼に”ふられた”と思った(かどうかは分りませんが)彼女はしかたなく下に去っていきました。
そして、ノコギリクワガタの大歯型の雄(が陣取る樹液)に、(歪んだ見方をすれば、種を超えて不倫すべく)近づきました。
さらにちかづき、昆虫バカセが”危ない”と感じた刹那、彼女はノコギリクワガタの大顎で”ガシッ”と挟まれ 持ち上げられて、傍らで見ている昆虫バカセの目の前に 落とされてしまいました。ノコギリクワガタの雄は、異種のヒラタクワガタの雌を異性とは認識せず、敵と認識したようです。
目の前のヒラタクワガタの雌を携帯している物差しで計ると、体長は32mmでした。昆虫バカセが野外で見たヒラタクワガタの雌の中では最大です。ヒラタクワガタの雌は滅多に見ることができないため、とても幸運でした。
改めて、そのフォルムを確認します。体長32mmの雌です。黒色の前羽に(このぐらいの大きさになると)やや縦筋が入り、半ば光沢を保っています。
今年 昆虫バカセフィールドで、ヒラタクワガタとはこれで7匹目(8回目)の出会いで、雌とは初めて出会いました。
その後 幹にいるヒラタクワガタの雄とノコギリクワガタの雄は、40cm程離れた樹液を それぞれ 吸っていましたが、しばらくすると 比較的大きなコクワガタの雄がヒラタクワガタの方に向かって行きました。
そして 最接近しました。これは”ケンカが始まる”と思い、動画撮影を開始しました。
体格は両者ほぼ互角で、骨太のヒラタクワガタがやや強そうに見えました。ヒラタクワガタは 侵入者に対して大顎を左右に振り上げて パワフルに威嚇すると、コクワガタは怖じ気づいたのか、その場で立ちすくんだ様子でしばらく棒立ちの後、左隅に去って行きました。
どうやら、今夜”ヒラタ入り”した(ヒラタ前線が昆虫バカセフィールドに停滞し始めた)ようです。しかし、ヒラタ前線はノコギリ前線とは異なり、梅雨が明ける(カブトムシが一斉に発生する)前に解けてしまいます。ヒラタクワガタが居なくなる訳ではありませんが、とても臆病なクワガタなので、今後は洞などに潜行して、樹液には滅多に現われなくなります。
昆虫バカセフィールドのヒラタクワガタ
2023年9回目の遭遇は
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昆虫バカセフィールドのヒラタクワガタ
雌2回目の遭遇は
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2023年6月8日夜
<昆虫バカセフィールドのヒラタクワガタ
2023年9回目の遭遇 6/8 >
19時20分頃、気温は21.5度、小雨。団地前のクヌギを覗くと、コクワガタが点々と5~6匹見つかりましたが、期待していたカブトムシの姿はなく、つぎに進もうと思いましたが何か物足りなく感じ、(例年はよく樹液が出ていたものの)今年は今まで駄目だった 分り難い場所にある樹液を覗くと、一目で”ヒラタ”と分る大きなクワガタが見つかりました。
改めて そのフォルムを確認します。(よほど大きな個体で無い限り なるべくそっとしておきたいので、計測はしていませんが)45mmぐらいと思えるヒラタクワガタの雄です。ビデオで確認する限り 左足は付け根から先が、右足は符節が欠損しています。今年、ヒラタクワガタとはこれで8匹目(9回目)の出会いです。 大戦で負け、落ち武者狩りからなんとか落ち延びている 落ち武者のような雰囲気を醸し出して、目立たない樹液でひっそりと滋養をとっているようでした。
昆虫バカセフィールドのヒラタクワガタ
2023年10回目の遭遇は
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19時40分頃、気温は21.4度 街中のコナラを覗くと、正面には 近づく前(かなり離れた場所)から「カブトムシがいるな!」と分りました。
いつもなら この正面の樹液には、少なくとも数匹のコクワガタが見つかりますが、今夜はカブトムシの威圧感のせいか 小さなヨツボシケシキスイやモリチャバネゴキブリ、遠慮がちに後方に控えるキシタバしか見つかりません。
カブトムシが体勢を下向きに変えました。改めてそのフォルムを確認します。普通サイズのカブトムシの雄です。それにしては角は長めです。カブトムシとは、今年2匹目(雄では初めて、この木でも初めて)の遭遇です。最初に雌を確認してから20日経っています。まだ カブト前線は停滞していない(カブトムシは一斉に発生していない)と感じています。
「コクワガタ達はいないのかな?」と思いながら 木の(丁度カブトムシのいる経度から180度ずれた)反対側を覗くと、いました。4匹(雄3匹、雌1匹)が群れていました。カブトムシを避けているように感じました。 最初に覗いた時(最初の静止画で)は、普通サイズの雄が雌とペアになっていましたが、右のやや大きな雄が 雌を奪うため(だと思いますが)、普通サイズの雄と角合わせをして 彼を即座に追い払いました。体格差があると一人相撲になる傾向があります。
2023年6月9日夜
<昆虫バカセフィールドのヒラタクワガタ
2023年10回目の遭遇 6/9 >
19時30分頃、気温は20.1度 霧雨。団地前のクヌギを覗くと、昨夜よりひっそりとしていて、コクワガタが点々と3匹程度しか見つかりません。そこで、昨夜落ち武者風のヒラタクワガタが見つかった樹液を確認すると、ここで昨夜見た個体より小さく、一昨夜見た個体とは別と感じたヒラタクワガタの雄が見つかりました。樹液に吸い付いて、微動だにしません。
体長は34mm前後だと思います。今年9匹目の(10回目に出会った)ヒラタクワガタです。
昆虫バカセフィールドのヒラタクワガタ
2023年11回目の遭遇は
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今年(2023年に)今までに遭遇した
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つぎに 19時50分頃、ヤナギ林に入りました。枝先のヤナギでは、幹に沿った横長の洞に、大きなノコギリクワガタのペアがはまっていました。一昨日(7日)の昼からずっとここにいるのでしょうか?
<昆虫バカセフィールドのヒラタクワガタ
2023年11回目の遭遇 6/9 >
その他の洞があるヤナギでは、頭上1.5m程にある洞に頭部を突っ込んだ大きなクワガタのお尻が見えました。即座に ヒラタクワガタだと思いました。
ヘッドライトを明るく照らすと洞に潜んでしまったので、ライトを弱く照らして、洞から出てくるのを2~3分待ちました。すると 大顎を覗かせました。やはりヒラタクワガタでした。体長は40mm前後だと思います。今年10匹目の(11回目に出会った)ヒラタクワガタです。
さらに 背伸びするように出てきました。どうも洞の出口からやや離れたところに、お目当ての樹液があるようでした。
昆虫バカセフィールドのヒラタクワガタ
2023年12回目の遭遇は
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木の反対側には、ボクトウガが開けたと思われる丸い穴にクワガタのペアがすっぽり入っていました。一瞬 これも”ヒラタ”だと思いましたが、コクワガタでした。雌は雄の上でお尻をこちら(外)に向けています。
<昆虫バカセフィールドのヒラタクワガタ
2023年12回目の遭遇 6/9 >
その時 ふと足下を見ると、根元の洞に大顎を突っ込んだ状態の 先の個体よりさらに大きなクワガタのお尻が見えました。これも即座にヒラタだと思いました。
クワガタには申し訳ないのですが、一旦洞から出てもらいました。
今年11匹目の(12回目に出会った)ヒラタクワガタです。思ったより大きくはないと感じましたが、念のため体長を計測すると47mmでした。
昆虫バカセフィールドのヒラタクワガタ
2023年13回目の遭遇は
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つぎに 街中のコナラを覗きましたが、今夜は閑散としていて、コクワガタが2匹見つかっただけでした。
その後 (今夜は何となく変化がありそうな予感がして)クワガタ達の断末魔のオアシスに(4日ぶり)に向かいました。
クワガタ達のオアシスを出た後、今夜ここまでで ヒラタクワガタ4匹と出会っており、あと1匹と出会えば昆虫バカセとして新記録なので、ほうぼうを巡ってやや疲れてはいましたが、昆虫達の飲み屋の森に入りました。ここもオアシスと同様に樹液の浸み出具合が復活しているのではないかと期待しましたが、駄目でした。今年 クワガタ初日を出した森は静まりかえっていました。
しかし 殆ど無意味な”自己新記録”のためとは、陸上部出身の悲しい性です。
2023年6月10日朝
<ノコギリクワガタの知られざる習性> 5時10分頃、気温は19.3度、霧雨。川縁のヤナギの、今年 今までにノコギリクワガタが見つかった枝の比較的上の方を覗くも、何も見つかりません。上の方は昨日から断続的に続く小雨または霧雨の影響で濡れており、目線を下げると 地上から1m程の幹の側面に小さな黒い影が見えたので、望遠レンズで覗くとノコギリクワガタのペアでした。雄の体はやや小さめですが、大顎はしっかり湾曲しています。撮影する直前に サトキマダラヒカゲが飛来したため、警戒して大顎を持ち上げていました。
もう居ないか 目を凝らすと、他の幹・側面の樹皮が微かに盛り上がって見えたところを望遠レンズで覗くと、やはりノコギリクワガタのペアでした。雄は小歯型です。
雨模様の時は、幹の下の方は濡れ難く 樹液が流され難いため、下の方で見つかり易いのかもしれません。
ところで、野外でノコギリクワガタを観察していると、ヤナギではペアでいる(雄と雌が一緒にいる)割合がクヌギやコナラより高いのではないかと感じたので、今年5月17日にノコギリクワガタを初めて(クヌギで)確認して以降 現時点(本日このウォッチング)までに見つかったノコギリクワガタの状況を整理してみました。
見つかったノコギリクワガタは(雄、雌含めて)合計32匹(※1)でした。その内、クヌギあるいはコナラの木で見つかった個体(A群)は10匹、ヤナギで見つかった個体(B群)は22匹でした。
A群の内 ペアで見つかった個体は2匹(1組)、B群の内 ペアで見つかった個体は16匹(8組)でした。言い換えれば A群の内 ペアでいた割合は20%、B群の内 ペアでいた割合は73%でした。
さらにB群の内、川縁の(河川敷に生える)ヤナギで見つかった個体(C群)は11匹、C群の内 ペアで見つかった個体は10匹(5組)、言い換えれば C群の内 ペアでいた割合は91%。でした。
これらのことは何を意味するのか? ヤナギ;特に河川敷に生えるヤナギは ノコギリクワガタの"餌場"を提供しているだけではなく、雄と雌が出会う"社交の場(交尾の機会)"をも多く提供していることを意味していると考えます。
つまり 河川敷に生えるヤナギは、ノコギリクワガタの繁栄に欠かせない重要な役割を果たしていると考えます。今後も より母数(調査するノコギリクワガタの数)を増し、このことを検証したいと思います。
この観点から、最も危惧することは、昨今大掛かりに行われている河川敷の護岸工事です。河川敷のヤナギなどの緑を重機で根こそぎ剥ぎ取りコンクリート化するもので、集中豪雨に伴う洪水を予防するものと説明されていますが、それらの根本的な対策ではないことは明らかです。護岸工事の効果より失うものの大きさを(取り返しのつかないものを失うのではないかと)大変 憂いています。
※1:異なる日に見た(複数の)個体を昆虫バカセが同一個体と判断した場合は、複数とはせず単数として整理しました。
2023年6月11日昼 14時10分、気温は20.5度、小雨。 川縁のヤナギを覗くと、昆虫バカセ専属 気象予報部の”ミスジマイマイ”さんが本当に梅雨入りしたことを、体を張って教えてくれました。
クワガタは居ないかなと探すと、目線から奥まった幹の裏側にサトキマダラヒカゲとコジャヤノメらしき蝶がとまっていて 樹液を吸っているようでした。しばらく クワガタが姿を現さないか観察していましたが、現しませんでした。
2023年6月12日夜
<昆虫バカセフィールドのヒラタクワガタ
2023年14回目の遭遇 6/12 >
今日はほぼ一日中雨が降っていました。19時50分頃、気温は21度、霧雨が降る中、団地前のクヌギを覗くと即、正面の目線よりやや上にある樹液で 黒光りするクワガタのフォルムがクックリ写りました。一瞬「大きな雌、オオクワガタ?」と思いましたが、ヒラタクワガタの雄でした。横にカキバトモエもいました。この大きなクヌギでさえ、太い幹の樹皮はほぼ前面濡れていました。ヒラタクワガタも体も”ビショビショ”です。
この個体は 両後足がケガしている(特徴を有している)ので、6月8日に他の樹液で見つかった"落ち武者風"のヒラタクワガタです。今期8匹目と同じ(14回目に遭遇した)ヒラタクワガタです。
<昆虫バカセフィールドのヒラタクワガタ
2023年15回目の遭遇 6/12 >
その1m程下の樹皮が捲れた部分では、光沢がある頭部を樹皮の下に突っ込んだ クワガタのお尻(前羽)が見えました。
ヒラタクワガタの雌かなと思い、この悪コンディションの中 クワガタには申し訳ないのですが、確認のため一旦樹皮下から出てもらいました。
極小のヒラタクワガタの雄でした。今夜はスケールを携帯し忘れたため計測は行っていませんが、体長は30mmにも満たず 28mm程度でしょうか? ここで6月7日に確認した個体と同一の可能性もありますが、今夜の方は前羽がやや赤みがかっているので違う(かな)と迷ったため、疑わしくは別個体と解釈し、今年13匹目の(15回目に遭遇した)ヒラタクワガタと位置づけました。
昆虫バカセフィールドのヒラタクワガタ
2023年16回目の遭遇は
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今年(2023年に)今までに遭遇した
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20時30分頃、気温は21度、雨、今夜 最後に街中のコナラを覗き、しばらく周囲を凝視して ようやく1匹だけコクワガタの雄が見つかりました。
典型的な梅雨時の今夜、見つかったクワガタ達の数は少なかったものの、条件の良いポイントには、樹液に集まる主要な甲虫4種が訪れていました。
2023年6月13日夜 今日 午後は断続的に雨、19時30分頃・曇り、気温は22.3度。近づくヤナギ林を眺めると まだ上空は薄ら明るく、「日がずいぶんと長くなったものだ」とつくづく感じました。
ヤナギ林に入り、まず 枝先のヤナギを覗くと、今夜はやや閑散としていると感じました。日が長くなったせいかもしれません。それでもすぐに、コクワガタの小さい雄とシラホシハナムグリが見つかりました。
さらに、洞の出口付近では、ノコギリクワガタの雄とコクワガタの雄が忙しく動いています。どうやら洞の中には、それぞれの彼女がいるようです。2匹が協力して、中の彼女達を侵入者からガードしているのでしょうか?
つぎに 洞があるその他のヤナギを覗くと、樹液で、ノコギリクワガタの雄とコクワガタの雄が見つかりました。
<昆虫バカセフィールドのヒラタクワガタ
2023年16回目の遭遇 6/13 >
ボクトウガが空けた洞を覗くと、比較的大きなクワガタが潜んでいました。先日(6/9)は、ここにコクワガタのペアが入っていましたが、今夜は違うようです。
中のクワガタに、昆虫バカセ特性のクワガタ掻き出し棒を駆使して 一旦外に出てもらうと、やはりヒラタクワガタ(雄)でした。体長は32mmぐらいでしょうか。今年14匹目の(16回目に遭遇した)ヒラタクワガタです。
洞に潜んでいる時に何枚か撮影し、その中の数枚には、この雄の下にもう1匹のフォルムが確認できます。雌の可能性があります。しかし 今となっては、これ以上の確認はできないので、もう1匹(可能性の雌)はカウントしません。
<昆虫バカセフィールドのヒラタクワガタ
2023年17回目の遭遇 6/13 >
頭上の洞にも、大きなクワガタの影が見えました。
撮影する位置を変えて写しました。
大顎の突起が口元近くにあるので、ヒラタクワガタの雄です。先日(6/9に)ここで見たヒラタクワガタと同じぐらいの大きさですが、同一個体か否かは分りません。体長は40mmぐらいでしょうか。今年15匹目の(17回目に遭遇した)ヒラタクワガタです。あえてこれ以上の探索は行いませんが、この洞の中にも雌がいるかもしれません。
このヤナギでは、洞に潜むヒラタクワガタの典型的な棲息状況が2組確認出来ました。
昆虫バカセフィールドのヒラタクワガタ
2023年18回目の遭遇は
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足下で ”何か”ごぞごそするので 見ると、アズマヒキガエルの”昆虫バカセ”がいました。彼とは毎年のようにここで出会います。彼も昆虫が好きです。しかし私とは目的がかなり違っていて、優しそうな顔とは裏腹に ここで”昆虫ハンティング”をしています。木から落ちるクワガタなどを狙っています。
ヤナギ林を後にして 20時頃、団地前のクヌギを覗きました。幹の正面では、コクワガタの雄が3匹見つかりました。
木肌は殆ど乾いており、今夜は様々な樹液で コクワガタばかり雄雌合計8匹が見つかりました。木肌がずぶ濡れの昨夜はコクワガタの姿が無かった(見つかったのはヒラタクワガタのみだった)ことからすれば、やはりコクワガタは湿潤な環境を嫌うのかもしれません。
団地前のクヌギを後にして 20時15分頃、街中のコナラを覗きました。すぐに、幹を這う大きなコクワガタの雄が目につきました。
しかし、クワガタ等主要な甲虫は、他にコクワガタが2匹見つかっただけでした。今夜は、このコナラが出す醗酵臭が いつもよりやや弱く感じました。そろそろ、樹液酒場を閉店してしまうのでしょうか? そうならないことを願いますが!
この後 今夜最後に、クワガタ達の断末魔のオアシスに向かいました。
2023年6月14日夜 今日 午前中は7時頃まで雨 その後曇り、午後は断続的に雨 15時頃は一時豪雨、17時以降は曇り。19時30分過ぎ、気温は21.4度、まず 団地前のクヌギを覗くと、幹の正面で 比較的大きなクワガタの雌が見つかりました。
”ワンチャン”ヒラタクワガタかと期待しましたが、コクワガタの雌でした。今夜はここで コクワガタが合計5匹見つかり、その内雌はこの1匹だけでした。この頃は、感覚的に概ねこのぐらい(20%以下程度)の比率で、コクワガタの雌が見つかります。
コクワガタがフィールドに出現してから そろそろ2ヶ月が経過します。出現当初(4月後半)は、雄より雌の方がより目についた気がしますが、今 雌は洞に潜んだり 産卵のため倒木に潜り込んだりして、目につかないのだと思います。
白く吹き出ている(蜜のような)樹液では、モンスズメバチの(羽に比べて胴体が大きいため、また攻撃的ではなく、また時期的に)女王蜂らしきが、脚を動かしながら、蜜状の樹液を顎で絡めとるような忙しい動きを見せていました。
20時頃 街中のコナラを覗くと、コクワガタの小さな雄1匹とオオシマカラスヨトウ1匹しか見つかりませんでした。5月上旬以降で最も閑散としていました。幹全体が濡れていたので、雨で樹液が洗い流されたためならよいのですが・・。
この後、クワガタ達の断末魔のオアシスに向かいました。
2023年6月15日朝 9時10分、気温は22.1度、天候は曇り。川縁のヤナギを望遠レンズで覗くと、やはり 大きなノコギリクワガタの雄が見つかりました。
雌も一緒にいないか、クワガタの姿勢が変わるのを5分ほど待って 望遠レンズの拡大率を上げると、やはり 雄の下に雌もいました。
ここでは、時間軸がまるで雑木林の1/10ほどに遅いのではないかと思えるぐらい、緩やかに時間が流れています。
ノコギリクワガタの動作が、雑木林のクヌギの樹液における場合と比べて、ここでは1/10ぐらいのスローモーションに感じます。
2023年6月16日夜 19時40分頃、気温は23.1度 オアシスのつぎに 街中のコナラを覗くと、ここでも正面の樹液でカナブンが3匹見つかりました。
これで この木では 今年最初に、(この辺の樹液で見つかる)主要な6種類の甲虫全てが見つかりました。しかし やはり、樹液はこの正面の一箇所のみに縮小してしまいました。
つぎに 団地前のクヌギを覗くと、今夜も多くの(計10匹ぐらいの)コクワガタが点々と見つかりました。正面 下の樹液では、カキバトモエが羽を広げてとまっていました。撮影しようとした瞬間、大きなコクワガタの雄がその下から姿を現しました。ファインダー越しに覗いた時点では、ヒラタクワガタだと思うぐらいに重厚感を感じました。
根元に近い樹液では、通常より体色が黒いノコギリクワガタの雌が見つかりました。あまりに黒いので、一旦手に取り 種類を確認した程でした。
つぎに 20時15分頃、気温は22.7度 ヤナギ林に入りました。まず 枝先のヤナギを覗くと その瞬間、ノコギリクワガタの雄が3匹とコクワガタのペアが見つかりました。
こういうシーンを見ると、”夏になった”ことを実感します。他の枝先では、ノコギリクワガタのペアが2組見つかりました(写真は、その内の大きなペア)。
<昆虫バカセフィールドのヒラタクワガタ
2023年24回目の遭遇 6/16 >
今まで何度か コクワガタやノコギリクワガタのペアが潜んでいた洞では、頭部を洞に突っ込んだ状態の、お尻(前羽)に光沢があるクワガタが見えました。
ヒラタクワガタだと思いましたが 確認のため、一旦外に出てもらいました。
やはり、体長32mmぐらいの雄で、今年24回目に遭遇した(22匹目の)、ここヤナギ林では今年6匹目(この木では始めて)のヒラタクワガタでした。
<昆虫バカセフィールドのヒラタクワガタ
2023年25,26回目の遭遇 6/16>
<雌3回目の遭遇>
その他の 洞があるヤナギの頭上の洞では、一昨夜(6月14日)からいるいると思われる(その時とおそらく同一個体の)ヒラタクワガタの雄が見つかりました。
体長40mmぐらいの雄で、今年25回目に遭遇した(22匹目の)、ここヤナギ林では今年7回目(この木では6回目)に遭遇したヒラタクワガタです。
今年(2023年に)今までに遭遇した
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一昨夜からいるのなら 雌もいるのではないかと思い、しばらく待って、雄の動きに変化がある毎に確認すると、はやり雌もいました。洞の下側で 雄が頭部を洞に突っ込み 斜め下向きにお尻を出している状態で、洞の上側で 雌の頭・胸部が確認できました。
夜は望遠レンズが使用できず ズームに限界があり、非鮮明な画像ですが ヒラタクワガタの雌で、雄のお尻と大きさが同じぐらいの頭部なので 結構大きいと感じます。今年26回目に遭遇した(23匹目、雌では3匹目の)、ここヤナギ林では今年8回目(この木では7回目)に遭遇したヒラタクワガタです。
昆虫バカセフィールドのヒラタクワガタ
2023今年27回目の遭遇は
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昆虫バカセフィールドのヒラタクワガタ
雌4回目の遭遇は
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この後、今夜再びクワガタ達の断末魔のオアシスに向かいました。
2023年6月16日夜 21時10分頃、気温は22.5度、先ほど訪れてから約1時間半後に、もう一度街中のコナラを訪れると、先ほど集まっていたカナブンに加え、夜の代表格コクワガタ(雄)と、今年初めてアカアシオオアオカミキリが集まっていました。
アカアシオオアオカミキリは、毎年昆虫バカセフィールドの樹液に集まります。光の当たり具合で色が変化し、とても綺麗です。
このような自然に触れると癒やされます。現在の自然は維持したいと願ってやみません。
内容 | 昆虫バカセフィールド・2023年初夏 |
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Eメール | hydro-servo-k@ab.auone-net.jp |
作者 | 昆虫バカセ |
更新日 | 2023年6月17日 |