東京・昆虫ウォッチング・夏から秋 移りゆく季節

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 2022年9月3日夜  -9月最初の昆虫ウォッチング- 20時過ぎ、気温は25度 まずは 久しぶりに団地前のクヌギを覗くと、前羽が半分欠損したノコギリクワガタの雄が樹液を吸っていました。何となく、”人造人間キカイダー”を連想しました。

ノコギリクワガタ♂-半分前羽が欠けている_団地前のクヌギ_2022年9月3日19時55分気温25度

 つぎに 大木クヌギを覗くと樹液は枯れており、昆虫は何も見つかりませんでした。シラカシでも同様でした。
 ヤナギ林では、枝先のヤナギでノコギリクワガタのペアが見つかりました。

ノコギリクワガタのペア_ヤナギ林-枝先のヤナギ_2022年9月3日20時20分気温25度

 別の枝で、コクワガタの雄も見つかりました。

コクワガタ1♂_ヤナギ林-枝先のヤナギ_2022年9月3日20時20分気温25度

 ヤナギ林近くの草原では、ハラビロカマキリの雌がめずらしく、地面から30~40cmの高さにある草陰で見つかりました。

ハラビロカマキリ_ヤナギ林近くの草原_2022年9月3日20時35分気温25度

 同じく草原では、クビキリギスの幼虫が見つかりました。ライトをあてたら、背筋を伸ばして擬態のポーズをとりました。何となく、”ねずみ男”を連想しました。

クビキリギスの幼虫_ヤナギ林近くの草原_2022年9月3日20時40分気温25度

 クビキリギスの成虫も見つかりました。今日 クビキリギスは3匹見つかりましたが、いずれも緑色でした。初夏に見つかった(越冬)個体が全て褐色だったことから、これら 緑色の個体が無事に越冬することは、難しいのではないかと予想します。

クビキリギスの成虫_ヤナギ林近くの草原_2022年9月3日20時40分気温25度

 草原の一角にあるオオブタクサが群生する区域では、今年もカンタンが鳴き始めました。姿は確認出来ませんでしたが、トノサマバッタがその音色を鑑賞しながら夕食中でした。

 最後(帰り)に21時頃 住宅脇の雑木林に寄ると、2組の採集者らしき方々が先着していました。8月31日に多くのクワガタが集まっていた集虫力No.1のクヌギは 恐らく覗かれた後だと思われた為、隅の方に生えているNo.2のクヌギを覗くと、ノコギリクワガタが多数集まっていました。
 正面には、ハートマークが入った(いや、白い蛾が背中にとまった)大きなノコギリクワガタが見つかりました。

ノコギリクワガタ♂-背中に蛾がとまっている-No2のクヌギ_中学校裏の林_2022年9月3日21時5分気温25度

 その下には、小さなノコギリクワガタの雄と雌が見つかりました。他にも太い幹周り360度間 目線の高さを中心に上下に点々と、ノコギリクワガタがついていました。

ノコギリクワガタ1♂,1♀_No2のクヌギ-中学校裏の林_2022年9月3日21時5分気温25度

 上を見上げると、さらにノコギリクワガタ2ペアと1匹の雌が確認できます。この木は弱っているのか? 幹から他の植物が生えている様子も確認できます。

ノコギリクワガタ2ペア、1♀-No2のクヌギ_中学校裏の林_2022年9月3日21時5分気温25度""

 今日は、夏の昆虫 ノコギリクワガタが多く見つかった一方で、クビキリギスやカンタン(の音色)など秋の昆虫も見つかりました。季節は着実に夏から秋に向かっているようです。

 2022年9月5日夜  20時頃、気温は28度、小雨交じりで蒸し暑い中、夕涼みの散歩がてらに近所の住宅脇の雑木林をウォッチングしました。 
 最初に目にしたクヌギでは、ノコギリクワガタの雄1匹とコクワガタの雄2匹がエンジンを組むように集まっていました(「おい、また昆虫バカセが来たぜ。こいつは写真撮るだけだから、安心だぜ」とでも、話しあっているのでしょうか?)。

ノコギリクワガタ1♂,コクワガタ2♂_中学校裏の林_2022年9月5日19時45分気温28度

 集虫力No.1のクヌギでは、立派なカブトムシの雄が見つかりました。この時期にまだ自然界で生き抜いている”王者”に敬意を表します。

カブトムシ1♂,コクワガタ1♂1♂_No1のクヌギ-中学校裏の林_2022年9月5日19時50分気温28度

 その上にあるNo.1の樹液では、コクワガタが8匹(その内おそらく2匹は雌)が占領していました。8月31日にはノコギリクワガタがメジャーだったので、季節が秋に向かってさらに一歩前進した証でしょう。

コクワガタ6♂2♂_No1のクヌギ-中学校裏の林_2022年9月5日19時50分気温28度

 ノコギリクワガタ(写真はペア)もまだ見かけますが、この雑木林では今日初めて1桁の目撃数にとどまった感じがします。

ノコギリクワガタのペア_中学校裏の林_2022年9月5日19時55分気温28度

 集虫力No.2のクヌギでは、ハラビロカマキリが3匹見つかりました。正面には、褐色の雌と緑色(通常色)の雄が陣取っていました。カマキリ達も、昆虫が多く集まる木を熟知しているのでしょう。

色違いのハラビロカマキリ♂♀_中学校裏の林_2022年9月5日19時55分気温28度

 褐色のハラビロカマキリは(出会う確率1/100と)大変珍しいのですが、ここでは今年2回目の遭遇です。個体数がとても多いということでしょう。

褐色のハラビロカマキリ♀_中学校裏の林_2022年9月5日19時55分気温28度

 今日は、意外にもカブトムシに出会えましたが、コクワガタとハラビロカマキリが目立ち始め、秋に向かう季節の移り変わりを実感しました。

 2022年9月13日夜  19時過ぎ 気温は30度、今晩はゆっくりしていようと思いましたが、この蒸し暑さならフィールドが面白いのではないかという衝動にかられ、出陣しました。はじめに、久しぶりに団地前のクヌギを覗きました。ライトを点けて直ぐ ハラビロカマキリの雄と目が合いました。昆虫バカセが極接近しても、さすがはハンター 彼は目を反らしません。

ハラビロカマキリと睨めっこ_団地前のクヌギ_2022年9月13日19時30分気温30度

 樹液が浸み出る場所は、極限られていました。辛うじて浸み出ている小さな洞とその周囲には、5匹前後のコクワガタが集まっていました。ライバルの甲虫達が激減する初秋に、よく見る光景です。

小さな洞に群がるコクワガタ_団地前のクヌギ_2022年9月13日19時30分気温30度

 結局、ここでは カブトムシやカナブンはもちろん、ノコギリクワガタ、シラホシハナムグリにも出会えませんでした。
 つぎに、ヤナギ林を覗くと、ここでも樹液が浸み出ている木は殆ど見つからず、全体的に閑散としていました。しかし、やはり限られた小さな洞とその周囲には、コクワガタが群れていました。この洞とその周囲には、写真から分るだけでも9匹のコクワガタが確認出来ます。

小さな洞に群がるコクワガタ_枝先のヤナギ-ヤナギ林_2022年9月13日19時50分気温30度

 洞の中は、コクワガタで”すしづめ”状態でした。ここまで群れている場面を見るのは始めてです。今年は樹液の出が全体的に悪く、少し異常なのかもしれません。

小さな洞に群がるコクワガタ(拡大)_枝先のヤナギ-ヤナギ林_2022年9月13日19時50分気温30度

 ここまで 昆虫バカセのメインフィールドを巡りましたが、ノコギリクワガタには出会えず 何となく物足りなかったので、最近虫(注)目しているクワガタ達のオアシスに向かいました。道中 畑の害獣除けのネットに、月明かりを受けて ヤモリのシルエットが映っていました。

ヤモリのシルエット_ヤナギ林近くの畑のネット_2022年9月13日20時気温30度
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 2022年9月21日昼  12時頃、気温は24度、本来は秋が急ぎ足で深まるこの時期は毎日でもフィールドに出たいところですが、昆虫バカセは先週末 左肩を脱臼したため 現在は上半身を半固定中で外出できず、仕方なく狭い庭をウォッチングしました。
 そういえば、ここ(ハナミヅキの根本付近の朽ち木粉砕土をまいたところ)に、今年3月末 シラホシハナムグリの幼虫を100匹ほど放したけど、それらはもう全て成虫になってフィールドに(樹液を目指して)飛び去ったはずだよな~。

朽ち木粉砕土-ハナミズキの根元-昆虫バカセ宅の庭_2022年9月21日11時50分気温24度

 まさか次世代の幼虫は居ないよな~と思いながら シャベルで土を少し掘り起こすと、居ました。体長3cm前後の4世代目の幼虫が5匹見つかりました。

シラホシハナムグリの幼虫_朽ち木粉砕土-ハナミズキの根元-昆虫バカセ宅の庭_2022年9月21日11時50分気温24度

 この幼虫の元親1世代目のシラホシハナムグリは(本当に成虫で越冬するか確認するための)実験飼育を行うため、2020年の夏 昆虫バカセフィールドで採取した数匹の成虫でした。この成虫たちは、子孫(2世代目)を残し(50個ほどの卵を産み)2020年の暮れに越冬することく全て死亡しました。
 2世代目の幼虫は、昆虫バカセ実験室の飼育ケース内で、2021年5月~7月にかけて蛹化し羽化し、実験用に数匹の成虫を残して残り全てをフィールドに放虫しました。しかし、その時点で飼育ケース内には(2世代目の約2倍の)100匹程度の3世代目の幼虫が発生していました。いったい、いつの間に交尾し産卵し孵化したのだろうか?と驚きました。
 3世代目の幼虫は、それらが蛹化する前に今年3月末頃、ここ(ハナミズキの根元)に餌となる朽ち木を粉砕した土と供に放ちました。このままでは無限ループのように実験室で増え続けると危惧したからです。ここなら、成虫が1匹づつ羽化する度に直ぐフィールドに飛び去るはずだから 交尾する間もなく、これ以上増え続けるはずはないと思っていましたが、羽化した成虫の内、ほぼ同時期に羽化した一部の雄,雌は土中で出会い、即交尾し産卵したことになります。凄まじい繁殖力です。だから 夏 樹液に集まる昆虫の中でもメジャーなのでしょう!
 ところで、2世代目の成虫を実験観察した結果、未交尾の個体に限り越冬しました。越冬した成虫は、(成虫で)2年目の2022年7月 死亡しました。
 昆虫ウォッチングは状況に応じて楽しむことができ、身近な庭から人里離れた山奥まで場所を選びません。世界で最も棲息数が多い昆虫が対象ですから! 

 このような自然に触れると癒やされます。現在の自然は維持したいと願ってやみません。

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内容 東京・昆虫ウォッチング・夏から秋 移りゆく季節
Eメール hydro-servo-k@ab.auone-net.jp
作者 昆虫バカセ
更新日 2022年9月27日