2021年9月5日夜雨の予想に反して曇り、日中の最高気温は24度。17時現在の気温21度、今日も涼しい。久しぶりに雨が上がり、あの樹液がダラダラ染み出していたシラカシに行ってみました。
18時50分頃-団地前のクヌギ
コクワガタ1♂,1♀(計2匹)
ここにも念のため寄ってみましたが、木肌が濡れており、樹液も確認できませんでした。しかし、洞の周囲でコクワガタが見つかりました。
”いつもの樹液”が出ていた場所では、ハラビロカマキリが獲物を待ち構えていました。ギャングの顔つきでした。
近くのあじさいの葉上には、「り~」と泣き続ける暗騒音の犯人”アオマツムシ”の雄が居ました。今は鳴いていませんでしたが、「おいみんな、今日も騒ごうぜ!」と、何となくチョイ悪そうな顔をしていませんか?
さらに近くのクワの葉上では、触覚の長いキボシカミキリが見つかりました。この辺で見かけたのは初めてですが、過去よくイチジクの木で集団発生していたのを見かけました。
19時5分頃-クヌギの大木
コクワガタ1♂ ここにも念のため寄ってみましたが、樹液は確認できませんでした。
19時15分頃-シラカシ
コクワガタ2♂,1♀、ヒラタクワガタ1♂
期待していましたが、残念ながら樹液は枯渇していました。今後の再復活を期待します。
それでも、前回(8月30日に)樹液が染み出していた位置周辺で、コクワガタのペア(写真)と大きなコクワガタの雄が見つかりました。
また、洞の中にクワガタのお尻が見えたので、確認捕獲用の掻き出し棒を使って一旦洞から出てもらうと、ヒラタクワガタの小さな雄でした(写真,右は強制的に幹にとまらせました)。「手間をとらせましたが、洞に戻ってください。」ヒラタクワガタとは約20日ぶり、今年21回目の遭遇です。前回(8月18日)もここで同じようなサイズの個体に遭遇したので、もしかしたらずっとこの洞で暮らしていたのかもしれません。
19時25分頃-ヤナギ林
コクワガタ1♂,1♀(計2匹)
ヤナギの枝先でヒラタクワガタの雌かなと思いましたが、一旦手に取り確認すると、コクワガタの雌でした。
帰り道のススキの葉先で、ツチイナゴの幼虫を見かけました。この時期(最近)よく見かけます。体色は皆、黄緑色です。このバッタは変わり者で、春に産卵し、初夏に孵化し、秋(9月末以降)に羽化し成虫で越冬します。羽化した頃は周囲が枯れ野なので、成虫の体色は皆、茶色になります。(春に孵化し、夏に羽化し、秋に産卵し命を終える)他のバッタとライフサイクルが異なります。
結局、異例・季節外れの低温が続き、しかも雨上がりの今日は、回ったポイントが少なかったとはいえ、樹液に集まる主要な甲虫数は10匹に満たないものでした。また、5月下旬以来、初めてノコギリクワガタを確認出来ませんでした。この状況は、昆虫達がこの低温で急激に数を減少させたというより、樹液を出す木の方が調子を崩したのではないかと感じています。恐らく昆虫達は本来、このぐらいの気温を好んでいるのだと思います。
東京・昆虫ウォッチングの先頭に戻る場合はここをクリックしてください! 2021年9月7日夕方~夜曇り時々晴れ、日中の最高気温は25度。16時現在の気温23度。通院した帰りにまだ明るいクツワムシの棲む森を、明るい時間帯にクツワムシはどうしているのか? この森に他にはどんな昆虫が棲んでいるのか? このようなことを考えながら探索しました。
この森では、カラスウリやクソカズラ、クズなど蔓性植物が目立ちます。写真の右下はカラスウリの実です。いたるところに実っていました。まず16時~17時頃、薄明るい森の中を(腰が痛いので)ゆっくり探索しました。
最初に、ヘクソカズラの葉上で、ササキリの雌が見つかりました。
次に、やはりヘクソカズラの葉上で、セツジツユムシの雌が見つかりました。
さらに進むと、やはりヘクソカズラの葉上で、マメコガネが見つかりました。「よほどおいしいのでしょうか?」葉脈だけを残して、芸術的な食べ方をしていました。
こんどは、カラスウリの葉上で、ニホンカナヘビが見つかりました。ここで、獲物を探しているのでしょうか?
さらに進むと、ススキの葉先でカムフラージュしているつもりなのか?カマキリの幼虫が見つかりました「カマキリさん、色が違うから目立っていますよ!」。種類はオオカマキリか、小さいので たぶんチョウセンカマキリの雄だと思いますが、この時期に幼虫とは驚きました。何か訳ありのようです。
こんどは、ヘクソカズラの葉上で、アオマツムシの雌が見つかりました。普通は樹の高いところの葉上に居ますが、時折 低いところでも見つかります。
次に、樹液が浸み出ているコナラの幹で、ヒメジャノメ蝶の一種とサビキコリが見つかりました。
この辺に生えていたコナラ数本は、まだ樹液を出していました。樹液には普段、昆虫バカセのフィールドでは見ない、攻撃的と言われているチャイロスズメバチを多く、見かけました。
さらに、カラスウリの葉上で、トホシテントウが見つかりました。ちょうど撮影する瞬間に離陸しました。
結局、薄明るい16時~17時頃のクツワムシの森では、クツワムシは見つかりませんでした。マダニ対策を施し森の中に入り込んで、彼らの好みそうな蔓性の植物を掻き分けても、気配すら感じませんでした。おそらく、草や茎の中深く地上近くでじっと休んでおり、人が近づいても動かない(驚いて飛び出したりしない)のでしよう。だから、その殆どの体色が褐色なのでしょう。仕方がないので、こちらも1時間程休憩し、日暮れを待つことにしました。
そして、周囲がほぼ暗くなった18時20分頃、探索を再開しました。去年まで鳴いていた森の入り口付近や外周道路沿いでは、やはりクツワムシの鳴き声は聞こえませんでした。5日前は雨の影響かと思っていましたが、クツワムシの生息数は徐々に減少しているようです。
最初に、明るい内に目星を付けた 樹液が浸み出ていたクヌギに行ってみると、ノコギリクワガタの雌が、チャイロスズメバチに執拗に攻撃され、幹を逃げ上っていました。チャイロスズメバチは、やはり攻撃的でした。今までに、他の種類のスズメバチがクワガタを攻撃しているところを見たことが無かったため、驚きました。
森の中に入っていくとやはり、クツワムシの鳴き声があちらこちらから聞こえてきました。音に近づくと、大半は姿が見えないか、葉や茎の間で体半分ほど見えるかでしたが、5音に1回ぐらいは、葉の上で上羽根全体を震わせて鳴いているクツワムシの姿がありました。その最初は、カラスウリの葉上で見つかった褐色型でした。
こんどはヘクソカズラの葉上で見つかった緑色型でした。最低でも30秒間は泣き続けることが出来、その持続力はたいしたものです。
さらに進みクツワムシ意外に着目すると、ヘクソカズラの葉上で、クサキリの雄が見つかりました。
こんどは、やはりヘクソカズラの葉上で、ウマオイの雌が見つかりました。昆虫バカセフィールドの樹液でよく見るヤブキリと似ていますが、3点程違いがあります。1点目は体が1回り程度小さいところ、2点目は背中の茶色い筋が目元まで掛かっているところ、3点目は雌の産卵管が剣(や三日月)のように曲がっているところです。大型のキリギリス類の中ではクツワムシとは異なり、ヤブキリと同様に獰猛な肉食性ですが、ヘクソカズラの葉上に居たということは、肉食以外にこれら蔓性植物の菜食も行うのかもしれません。
さらに進むと、こんどは緑色のクツワムシの雌が姿を見せました。暗い森では明らかに、昆虫達との出会いが増しました。声量豊かな雄を見つけに行くのでしょうか?
こんどは、緑色のクツワムシの雌が食事中でした。ヘクソカズラの葉を食べていました。
セスジツユムシの雌も食事中でした。ヘクソカズラの細い茎を上から食べていました。
何故か、樹液も出ていないコナラの幹のいたるところに、大きなカマドウカが群れていました。昆虫バカセもさずがに、この昆虫は苦手です。
次に、樹液が出ていたクヌギの老木を覗くと、幹を上るニホントビナナフシが見つかりました。スズメバチに襲われたことがあるのか、右の前足と中足が欠損していました。
最後にもう一度、カマドウマが群れていたコナラを覗くと、ウマオイの雌が幹を這っていました。カマドウマを狩りに来たのでしょうか? カマドウマも獰猛そうですが、狩れるのでしょうか?
結局、9月8日のクツワムシの棲む森は、夜に活況でした。ヘクソカズラやカラスウリなどの蔓性植物が生える森だから、それを食すクツワムシやセスジツユムシなどキリギリス属を始め多くの昆虫達が集まってくるのだろうと感じました。
東京・昆虫ウォッチングの先頭に戻る場合はここをクリックしてください!2021年9月9日夜午前中は本降り、午後は次第に雨足が弱まり16:00以降は曇り、日中の最高気温は26度。19時現在の気温23度、肌寒さは感じない。ポイントを絞ってウォッチングしました。
18時45分頃-団地前のクヌギ
コクワガタ雄1匹・・・・・樹液は確認出来ず、洞の中でコクワガタの雄が1匹見つかりました。
19時10分頃-ヤナギ林ー枝先のヤナギ
コクワガタ雄4匹,雌1匹(計5匹)、ノコギリクワガタ雄1匹
オオスズメバチが2箇所で樹液を吸っており、近づくと威嚇すべくスクランブル発進してきました。危ない危ない!この時期は気を付けなければいけません。
オオスズメバチの動きに気を配りながら遠巻きに観察すると、一箇所の樹液でノコギリクワガタの雄が見つかりました。そっと近づきました。綺麗な個体です。最近、蛹室から出てきたのかもしれません。
小さな洞穴では、大きなボクトウガの幼虫が頭をのぞかせていました。この枝先では、シーズンの序盤から終盤まで満遍なく昆虫をウォッチングすることができますが、その功労者です。
枝から幹を辿って降りていくと、洞の中でコクワガタの雄が見つかりました。さらに降りていくと、幹がY字になっている箇所にある洞にコクワガタの雄3匹と雌1匹が群れていました。
この後、ヤナギ林のメインエリアでは、普段は昆虫を確認したことがない細い柳でコクワガタの雄1匹のみが、シラカシでもコクワガタの小さな雄1匹のみが見つかりました。クヌギ林のクヌギの大木、2番目のクヌギでは、何も見つかりませんでした。
帰りがけに、草むらの葉上で褐色のトノサマバッタが休んでいました。
また、草むらや木の枝では、9月初旬のこの時期、ススキの尖った葉先ではショウリョウバッタモドキ(写真-左(上が雄、下が雌))が、植物の種類を問わず草の茎ではツチイナゴの幼虫(写真-中)が、様々な樹木の幹や枝ではハラビロカマキリ(写真-右)がよく見つかります。特にツチイナゴの幼虫は、10m歩く毎に少なくとも1匹は必ず見つかります。
最後に、道路上にエンマコオロギの雄が出てきました。綺麗な音色を奏でる昆虫界の”カナリヤ”は、何となくバイオリンを背負っているように見えるのは、昆虫バカセの錯覚でしょうか?
2021年9月10日昼晴れ、12時40分現在の気温31度、暑い。昼休みに(近所の)今No.1のポイント”枝先のヤナギ”に行ってみました。
12時45分頃-ヤナギ林ー枝先のヤナギ
シラホシハナムグリ3匹、コクワガタ雄1匹、ノコギリクワガタ雄1匹
昨夜、オオスズメバチが居た枝先の樹液では、ノコギリクワガタの雄が見つかりました。昨夜ここで見たノコギリクワガタより顎が大きく湾曲しており、別の個体です。
別の枝先の樹液では、シラホシハナムグリが3匹集まっていました。
さらに別の枝先の樹液では、アカボシゴマダラが羽ばたきながら樹液を吸っていました。まるで”うちわ”であおぎながらジュースを飲んでいるみたいでした。
枝から幹を辿って降りていくと、昨夜コクワガタが居た洞の中で、ボクトウガの幼虫が掘ったトンネルにコクワガタがすっぽりと入っていました。
さらに降りていくと、昨夜コクワガタが群れていた幹がY字になっている箇所にある洞の中の木質を、オオスズメバチがかじっていました。仕事に集中し、昆虫バカセの存在に気が付いていない様子でした。
帰りがけに、畑の周囲の草原で、オオカマキリの雄を見かけました。
「今日は久しぶりに暑いし、ここは面白いから、今日仕事を終えたら(夜)また来よう」と心で誓う昆虫バカセでした。
東京・昆虫ウォッチングの先頭に戻る場合はここをクリックしてください!2021年9月10日夜晴れ、18時40分現在の気温25度、風が少し吹いていますが、暑く感じます。また、”枝先のヤナギ”に行ってみました。
18時50分-団地前のクヌギ
コクワガタ雄1匹---ついでに団地前のクヌギも覗きましたが、昨夜同様、洞の中でやや大きめのコクワガタの雄が1匹見つかっただけでした。
19時5分頃-ヤナギ林ー枝先のヤナギ
シラホシハナムグリ12匹、コクワガタ雄5匹,雌1匹(計6匹)、ノコギリクワガタ雄1匹,雌1匹(計2匹)
今日のメインポイント”枝先のヤナギ”にきました。
昼間 ノコギリクワガタの雄が居た枝先の樹液には、同じ雄に加え雌も来ていました。
さらに他の枝先の樹液3箇所で、計12匹のシラホシハナムグリ(写真はその内の一箇所)が見つかりました。この時期はクワガタムシが減少するため、夜でも安心して樹液に集まって来るのかもしれません。
さらに他の枝先の樹液では、ヤモリが樹液をペロペロ舐めていました。ヤモリの狙いはコメツキムシなど小さな昆虫ばかりだと思っていましたが、樹液も好きだったようです。
枝から幹を辿って降りていくと、2つの洞の周囲でコクワガタが点々と見つかりました。さらに降りて、昼間オオスズメバが居た幹がY字になっている箇所にある洞の中で、コクワガタの雄2匹とオオスズメバチが攻防を繰り返していました。オオスズメバチは上側の小さなコクワガタに頭を挟まれ、逃げるように下側に移動すると、こんどはトンネルに潜んでいたボクトウガの幼虫に頭突きされてよろめき、さらに大きなコクワガタの顎ですくい投げを食らいました。その後 やつあたりでもするかのように、昆虫バカセ目がけて突っ込んで来ました。昆虫バカセは咄嗟にダッシュして後ずさりした結果、治りかけていた”ぎっくり腰”が再発してしまいました。
19時10分頃-ヤナギ林ー洞のあるその他のヤナギ
コクワガタ雄1匹,雌1匹(計2匹)---久しぶりにここでクワガタを見ました。雌は洞の中に居ました。
19時20分-シラカシ
コクワガタ雄4匹,雌2匹(計6匹)---樹液が浸み出ている様子は確認できませんでしたが、8月30日に樹液がダラダラと浸み出ていた付近の表側(最初の写真)と裏側(後の写真)付近で複数のコクワガタが見つかりました。
この後、クヌギ林のクヌギの大木にも寄りましたが、何も見つかりませんでした。
結局、久しぶりに晴れて暑くなった今日(9月10日)は、ヤナギ林 特に”枝先のヤナギ”は、まだ昆虫達で賑わっていました。
このような自然に触れると癒やされます。現在の自然は維持したいと願ってやみません。
内容 | 東京・昆虫ウォッチング(東京の昆虫) |
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作者 | 昆虫バカセ |
更新日 | 2021年8月30日 |