東京・昆虫ウォッチング・夏本番

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 2022年7月19日夜  明日の出張用にガソリンを給油したついでに、20時頃、団地前のクヌギに立ち寄りました。気温は30度ぐらい。時節的に樹液酒場は夏本番のはずです。
 目の前にカブトムシが、幹を見上げてもカブトムシが目立ちました。

団地前のクヌギ_見上げるとカブトムシ1♂2♀_2022年7月19日19時55分頃気温30度

 目線の位置では小さなコクワガタが、激しく戦っていました。後からビデヲで確認すると、背後の洞から一瞬大きな(ヒラタクワガタらしき)クワガタの雌が顔を出していました。

 これで帰ろうと思ったのですが、条件反射的に大木クヌギに向かってしまいました。クヌギ林が消失したため、大木クヌギは町の灯りを背景に、周囲にはブタクサぐらいしか生えておらず、”ポツンと一本木”になっています。

大木クヌギ_全景-カブトムシが点々と付いている_2022年7月19日20時5分頃気温30度

 10日程前はヤブキリが支配していましたが、今日はカブトムシが支配していました。オオナガコメツキムシ、コクワガタ、ノコギリクワガタ、ヤブキリの姿も見えます。

大木クヌギ_今日一番の樹液 カブトムシのペア、コクワガタ、オオナガコメツキムシ_2022年7月19日20時5分頃気温30度

 珍客”ハグロトンボ”もカブトムシのすぐ近くにとまっていました。

大木クヌギ_珍客”ハグロトンボ”_2022年7月19日20時5分頃気温30度

 これで帰ろうか迷ったあげく、足が勝手にヤナギ林に向かっていました。ヤナギ林でもカブトムシが目立ちました。赤いカブトムシもいました。

ヤナギ林_クネクネしたヤナギ_レッドカブトムシ_2022年7月19日20時15分頃気温30度

 ノコギリクワガタも、依然として多く見つかりました。少しの木を覗いたところで突然 雨が降ってきたため、今度こそ本当に帰りました。

ヤナギ林_枝先のヤナギ_ノコギリクワガタノペア_2022年7月19日20時15分頃気温30度

 2022年7月20日夕方~夜  仕事帰りにIハカセと合流して、今年4度目の 利根川クワガタウッチング をまだ明るい18時30分頃から慣行しました。
 クワガタ探しを前にやる気満々のIハカセ。どこかで見たポーズをとって張り切っていました。

利根川河川敷_クワガタ探しを前に張りきるIハカセ _2022年7月20日18時40分頃気温28度

 すぐ近くの丸石には、ヒメアカタテハがとまっていました。

利根川河川敷_河原の石にとまったヒメアカタテハ _2022年7月20日18時40分頃気温28度

 ウォッチング開始早々、3本目ぐらいに覗いたヤナギで、多く(10数匹)のノコギリクワガタ、コクワガタが見つかりました。
 こっちの枝にはノコギリクワガタのペアがついていました。

利根川河川敷_ヤナギの枝先にノコギリクワガタのペア _2022年7月20日18時45分頃気温28度

 あっちの枝には、コクワガタのペアがついていました。

利根川河川敷_ヤナギの枝先にコクワガタのペア _2022年7月20日18時45分頃気温28度

 今日は凄いかなと思いきや、この後は数10本のヤナギを覗くも見つからず、およそ30分後、ようやく2度目が訪れました。「あれ、でも何かおかしい」数匹のモンスズメバチと一緒に、後羽が前羽からはみ出たノコギリクワガタの雄が見つかりました。モンスズメバチに攻撃されたのかもしれません。

利根川河川敷_ヤナギ_ノコギリクワガタの雄とモンスズメバチ _2022年7月20日19時15分頃気温28度

 モンスズメバチの闘争シーンにも遭遇ました。先日の昆虫バカセフィールドに続いて2度目です。モンスズメバチは、気性が荒いようです。我々も気をつけなければいけません。

 ここからは、やはり前回と同様にクワガタが見つかるペースはダウンしました。すると、Iハカセが「ヒラタだ!」と叫びました。昆虫バカセが確認すると、確かにヒラタイし、コクワガタの大顎形状とは少し違うみたいだけど何か変だと感じ、撮影後一旦捕獲し 後で調べてみると、両方の大顎の(本来は内側に湾曲している)先端部が欠けているコクワガタであることが分りました。

利根川河川敷_ヤナギの枝先に種類がはっきりしない形状の大顎を持ったクワガタ _2022年7月20日19時35分頃気温28度

 カブトムシ(雌)も1匹だけ見つかりました。結局、クワガタは100数10本のヤナギを確認した内、3本程度の極限られたヤナギでしか見つかりませんでした。しかし、見つかる木では群れていました。また、前回見つかった木とは全て違う木で見つかりました。

利根川河川敷_ヤナギ_カブトムシ♀、シロテンハナムグリ _2022年7月20日19時30分頃気温28度

 ”夕方の部”は以上ですが、少し休憩を挟んで、強い光でクワガタを引き寄せてクワガタをウォッチングする”夜の部”を20時30分頃、開始しました。実は、注文中の昆虫ライトウォッチング用のライトが昆虫バカセの手違いで未だ入荷せず、急遽2台のクルマを並べてそのヘッドライトを(200m程離れた)ヤナギ林に向けてハイビームで照らしてみることにしました。

利根川河川敷_クルマのヘッドライトトラップ_2022年7月20日20時40分頃気温27度

 昆虫バカセは「これではたぶん光が弱くて無理だろう」と半ば諦めて今一つやる気が出ず、審査員(飛んで来た虫をチェックする番人)にIハカセを指名しました。そうとは知らないIハカセは、飲みながら「まだかな~、クワガタさん早く飛んで来ないかな~」と、やはりすごく暇そうに審査を続けていました。

利根川河川敷_ヘッドライトトラップ審査員のIハカセ「ひまだな~」_2022年7月20日20時40分頃気温27度

 すると、「来た~!」というIハカセの叫び声に、魚釣りで引いた”浮き”に反応するかの如く、咄嗟に飛び出した昆虫バカセが昆虫を確認すると、それはコガネムシの一種”ドウガネブイブイ”でした。

利根川河川敷_クルマのヘッドライトトラップに掛かったドウガネブイブイ_2022年7月20日21時5分頃気温27度

 Iハカセは、「カナブンでも飛んで来ただけいいじゃん」と嬉しそうでした。Iハカセはどうも、カブトムシとクワガタ以外”はカナブン”で四捨五入しているようです。

 

 2022年7月22日夜  出張帰りに”高速”を途中下車して、昨日入荷したライトウォッチング用ライトの威力(効果)をテストするために、ツキノワグマが生息する峠に向かいました。峠に到着したのは日暮れ前の19時頃、標高が800m程あるので気温は25度ぐらいで心地良い。初めてなので早めに段取りして、明るい内からライトウォッチング用のライトを照らし始めました。本来は、より標高の高い開けた峠で行いたいのですが、今日は1人なのでツキノワグマを警戒して、5分に1度ぐらいはクルマが行き交う峠道沿いの四方を山に挟まれた閉ざされた空間で(テスト的に)行いました。開始後約1時間が経過した20時を回る頃でも空はまだ薄ら明るく、光原の周りをちらほらと小さな虫が舞う程度でした。街灯やクルマのヘッドライトの光と違うのは、数10m程先まで光の柱がクッキリと届くところです。

Y峠付近_ライトトラップ-ビーム柱_2022年7月22日19時55分気温25度

 20時30分を過ぎる頃から、無数のスジコガネが光源の周りを飛びかうようになりました。約10分周期ぐらいで、頭にライトを装着してチェックする際には、スジコガネが昆虫バカセの顔や頭に纏わり付くので大変でした。

Y峠付近_ライトトラップ-スジコガネ多数飛来_2022年7月22日21時15分気温25度

 21時頃、光源を覆うカバーにやや大きな衝突音が聞こえたため チェックしてみると、光源から1m程前方に、立派なミヤマクワガタの雄が飛来していました。ここにはミヤマクワガタが生息していると推測していましたが、やはり居ました。

Y峠付近_ライトトラップ-ミヤマクワガタ♂飛来_2022年7月22日20時55分気温25度   

 昆虫は、光源の前方と左右方向に光源を中心とした半径2m内に集中して飛来していました、それ以外には殆どいませんでした。どうも光の柱を伝って、最終的に高原付近に集中するようです。

 21時30分過ぎ、そろそろ終わりにしようと最終チェックを行うと、光源から2m程離れた縁石付近で、コクワガタの雄も見つかりました。
 ライトウォッチング用ライトを使用したテスト結果は、行った環境の割に上々だと感じました。ライトウォッチングは土地勘の無い場所で、どのような昆虫が生息しているのか調査する手段として最適だと思います。今後が楽しみです。

Y峠付近_ライトトラップ-コクワガタ♂飛来_2022年7月22日21時30分気温25度  

 2022年7月27日夜  18時過ぎ高速に乗り、標高およそ900m・眺望の良いK峠の頂きに向かいました。ここは幹線道路からは外れており、夜はポツンと一人になるだろうから、ツキノワグマの襲来が気になり、行こうか行くまいか迷っていましたが、昆虫バカセは迷った場合は進むクセがあるので実行しました。19時過ぎに頂に到着した頃はまだ明るく、ミヤマカワトンボが舞っていました。

ミヤマカワトンボ_白石車庫付近_2022年7月27日14時40分気温29度

 19時45分頃、頂からの夜景が綺麗になってきました。前回は森に囲まれて周囲が閉ざされた空間で行ったので、今回は頂で周囲が開かれた空間でテストすることにしました。8月5日にIハカセと行うライトウォッチング本番を前にしたテストです。

夕闇迫るK峠からの眺望_2022年7月27日19時45分気温26度

 20時頃、ようやく暗闇が迫り、ライトビームが天に向かって伸びるようになりました。

K峠からライトウォッチング_2022年7月27日20時0分気温26度

 そして、昆虫が徐々に光源の周囲に集い始めるようになりました。今回も、スジコガネが圧倒的にメジャーでした。

スジコガネのペア_K峠からライトウォッチング_2022年7月27日20時30分気温26度

 クサギカメムシなどのカメムシも多数集まってきました。

クサギカメムシ_K峠からライトウォッチング_2022年7月27日21時05分気温26度

 特定はできませんでしたが、ヒョウタンゴミムシの一種らしき 一見クワガタに似た甲虫も数匹集いました。

ヒョウタンゴミムシの一種か?_K峠からライトウォッチング_2022年7月27日20時20分気温26度

 ライトウォッチングは、集った昆虫のお見合いの場所を提供する側面もあるようです。

ヒョウタンゴミムシの一種か?カップル成立_K峠からライトウォッチング_2022年7月27日20時20分気温26度

 21時に近づくと、光源の周囲はスジコガネだらけになりました。思いの他、単調な成果になりました。

スジコガネなど_K峠からライトウォッチング_2022年7月27日21時05分気温26度

 また、意外でした(想像すれば、予想できそうなものでした)が、この頃から1台、また1台と計10台近くのクルマが到着し、中からはツキノワグマではなく、アベックや女性2人連れが下り立ちました。どうやら夜景を眺めに訪れたようです。夜景をバックに良い雰囲気でデート中のカップル達の真横で、光線を放ち昆虫を集めている野暮な自分が恥ずかしく(申し訳け無く)思った昆虫バカセは、すかさず店じまいしました。
 カップル達のデートを邪魔したことはさておいて、峠の頂で天に向かってビームを放ち、ライトウォッチングする効果は薄い(天に昆虫はいない)という事実が分ったことが、今日の収穫でした。

 

 2022年7月29日夜  出張帰りに”高速”を途中下車して、先週に続き、ツキノワグマが生息する峠に向かいました。前回 ミヤマクワガタが飛来したので、その裏付けを得る(追加個体を確認する)のが目的です。峠に到着したのは日暮れ前の19時頃、標高800m程にも関わらず 今日は気温が28度あり蒸し暑い。まだ 明るいので周囲を散策すると、コナラの老木でノコギリカミキリを見つけました。体長は4cm程度あり(大きいので)、雌の個体だと思います。久しぶりにこの甲虫に出会いました。

Y峠付近_ミヤマカミキリ♀_2022年7月29日19時20分気温28度

 19時30分頃、ライトウォッチングを開始しました。前回に対して、ビームの方向を右に90度づらして、近くのコナラ林に向けました。20時を過ぎる頃から、前回と同様に無数のスジコガネが光源の周りを飛びかうようになりましたが、お目当てのクワガタ類は飛来しません。開始後およそ2時間が経過した21時20分頃、大きな羽音と共にヒグラシが飛来しました。

Y峠付近_ライトウォッチング_ヒグラシ_2022年7月29日21時20分気温27度

 さらに10分後、軽い羽音と共にヤブキリが飛来しました。ヤブキリはこのような標高でも生息しているようです。

Y峠付近_ライトウォッチング_ヤブキリ♂_2022年7月29日21時30分気温27度

 結局、22時頃までライトウォッチングし、クワガタの飛来はありませんでした。この辺は基本的に針葉樹林が多く、クワガタなどの甲虫は多く生息していないのかもしれません。

 

 2022年7月30日夜  比較的 クワガタやカブトムシが多く生息している昆虫バカセフィールドで ライトウォッチングを行ったら、光源にクワガタやカブトムシは飛来するのか? 数回行ったライトウォッチング(方法)の作用(効果)を確認するために、昆虫バカセフィールドの”ポイント”の近くで(ライトを点灯しても迷惑がかからない場所で)、ライトウォッチングテストを行いました。
 まず、20時頃からA点で開始すると、 数分の内に無数のドウガネブイブイが飛来しました。峠で無数に飛来したスジコガネが、ここではドウガネブイブイに変化しただけの状況です。

昆虫バカセフィールド_ライトウォッチング_ドウガネブイブイ_2022年7月30日20時10分気温28度

 開始10分後には、コフキコガネが飛来しました。

昆虫バカセフィールド_ライトウォッチング_コフキコガネ_2022年7月30日20時15分気温28度

 さらに10分後には、ノコギリカミキリが飛来しました。体長が比較的小さかった(3cm以下程度だった)ので、雄の個体だと思います。

昆虫バカセフィールド_ライトウォッチング_ノコギリカミキリ♂_2022年7月30日20時30分気温28度

 この後、飛来する昆虫の種類に新たな変化が無かったため 場所をB点に移しましたが、状況は変わらず、無数のドウガネブイブイの他に2匹のコフキコガネ、さらにニイニイゼミが飛来しただけでした。一向にクワガタやカブト虫は飛来しません。
 21時30分頃、ライトウォッチングを終了し、それなら(クワガタやカブトムシは全く飛来しなかったから)、今日は樹液にもそれらは居ないのか?それを確認するために、A点、B点から僅か500m程離れた団地前のクヌギを確認すると、そこには、ちゃんと10数匹のクワガタやカブトムシが集まっていました。特にカブトムシの雌、コクワガタの雄・雌が目立ちました。

団地前のクヌギ_カブトムシ♀、ノコギリクワガタ♂♀、_2022年7月30日21時30分気温28度  

 結局、昆虫バカセフィールドでは、樹液に多数のクワガタやカブトムシが居たにもかかわらず、それらは ライトウォッチング用の光源には飛来しませんでした。ということは、標高の高い峠にもクワガタは多数生息していて、このライトウォッチング方法では確認できないだけなのかもしれません。時間に問題があるのか? ライトのパワー不足なのか? それとも・・・?

 

 2022年8月1日昼下がり  今日は猛暑、16時前後の昼下がりでもまだ気温は34度。こんな暑さの中、樹液では昆虫は見つかるのか?好奇心が募り 仕事を中断して、昆虫ウォッチングに出かけました。
 団地前のクヌギでは比較的少数でしたが、カナブン、シラホシハナムグリ、アカボシゴマダラが見つかりました。

団地前のクヌギ_アカボシゴマダラ、カナブン、シラホシハナムグリ_2022年8月1日16時10分気温34度

 コナラでは、ヤブキリの雄が幹を上っていました。

コナラの幹_ヤブキリ♂_2022年8月1日16時35分気温34度

 ヤナギ林のヤナギの枝先では、葉っぱの揺りかごでドウガネブイブイが、気持ちよさそうに昼寝をしていました。

ヤナギの枝先_昼寝中のドウガネブイブイ_2022年8月1日16時40分気温34度

 枝先から幹を辿って降りた洞の中では、ノコギリクワガタの雌が暑さを凌いでじっとしていました。

ヤナギの洞_ノコギリクワガタの雌_2022年8月1日16時45分気温34度

 その他のヤナギの樹上では、ノコギリクワガタの雄が樹液を吸っていました。

その他のヤナギ_ノコギリクワガタの♂_2022年8月1日16時45分気温34度

 草原では、ヒメアカタテハがシロツメグサの蜜を吸っていました。

 

 このような自然に触れると癒やされます。現在の自然は維持したいと願ってやみません。

 2022年8月2日夜  今日も出張帰り。日中は37を超える極暑、仕事を終え高速に乗ると大渋滞、地元近くのインターチェンジを下りる頃には夜の帳が下り、丁度ライトウォッチングの頃合い(20時)になっていたので 疲れは感じていましたが 里山MHの山際に寄り道し、ライトウォッチング用のライトビームを森に向けて照射しました。
 いつものように、始めてすぐに多くのドウガネブイブイが集まり始めましたが、中にはやや小さめの綺麗な緑色のヒメコガネも混ざっていました。

ヒメコガネ_里山MH_ライトウォッチング_2022年8月2日20時25分気温29度

 しばらくすると、コフキコガネも数匹集まりました。当初は離陸・着陸を繰り返していましたが、しばらくすると疲れたのか じっとしていました。髭を生やしているわりに顔は可愛らしく、平地でライトウォッチングを行うと必ずやってくる常連客No.3です。

コフキコガネ_里山MH_ライトウォッチングの常連客_2022年8月2日20時25分気温29度

 こんどはカブトムシの雌が飛んで来ました。ライトウォッチングでは初めてです。

カブトムシ♀_里山MH_ライトウォッチング_2022年8月2日20時25分気温29度

 1時間程ライトウォッチングして、21時頃後片付けを始めようとライトの周りを確認すると、ライトの柄には 今日もナシイラガが2匹ついていました。ライトウォッチングを始めてから 標高の高い場所、平地を問わず、毎度ほぼ確実にライトの柄についています。モフモフな体型にして以外にも可愛い顔をしているこの蛾は、平地オンリーのドウガネブイブイを凌ぐ ライトウォッチングの常連客No.1です。
 幼虫の棘には毒がありますが成虫に毒はなく、素手で払ってもよいはずですが、その勇気は出せず軍手を着けて払っています。
 ライトウオッチングを終える頃には、不思議に仕事疲れが抜けていました。仕事そのものの記憶(ストレス)がライトウォッチングによって掻き消されたためかもしれません。

ナシイラガ_里山MH_ライトウォッチングの常連客_2022年8月2日20時30分気温29度  

 2022年8月5日夜  今日はIハカセとライトウォッチング本番。2人ともそれぞれ群馬県、神奈川県で仕事を終えてから、昆虫バカセが計画したO峠付近で19時頃待ち合わせてライトウォッチングを行う予定でした。O峠のやや上側にはクヌギ林があり、絶好のライトウォッチングポイントになるはずでした。
 仕事先から距離が短いIハカセが先にO峠の中腹にさしかかった18時頃には、その辺一体には既に濃霧が発生しており 視界は殆ど効きませんでしたが、まだ明るい時間帯なので、Iハカセはなんとか運転してO峠にたどり着けました。

O峠付近の視界_クルマの運転席から_2022年8月5日18時頃気温22度

 Iハカセが群馬の片隅から先にO峠に辿りついた18時20分頃には、濃霧に加えて寒い雨も降り出しました。徐々に辺りは暗闇に包まれ、人通りがあるはずもないO峠近くの東屋でカンテラを照らしながら、(まだあと1時間程来ない)昆虫バカセの到来を待つIハカセの心中は心細かったことと察します。先日、この近くのミツバチの巣箱がツキノワグマに襲われました。このことをIハカセは知る由もありません(知らなくてよかったと思います)。

O峠付近の視界_2022年8月5日18時頃気温22度

 一方昆虫バカセは特別な交通トラブルに遭遇したわけではありませんが、Iハカセと反対側から より狭い峠道をやはり濃霧で暗闇の中、時速5km/hとほぼ歩くような徐行速度でO峠には予定より40分ほど遅れて到着しました。到着した頃には、視界0の曲がりくねった峠道を数10分走り続けたせいか、激しい乗り物酔いで吐き気を催していました。
 20時前にようやくO峠でIハカセと合流しましたが、「この寒い霧雨では、クワガタ飛べないよね!?」「そうだね、不可能だね。せっかく来たけど下りますか?」「下りて、飯でも食べますか」ということで、この辺にやや土地勘を有す昆虫バカセが最徐行しながら、Iハカセのクルマを先導しました。しかし、ここから最寄りの国道まで約8km程の峠道は、先ほどにも増して視界が効かず、運転席からの視界だけでは道幅を見切ることができず、カーナビを最も詳細に拡大し、カーナビが映し出す道のカーブに沿って(画像を見ながらそれを正として)ハンドルを回しながら、目に入る僅かな(ガードレールなどの)視界を補助的に活用して運転し続けました。

O峠付近の視界_クルマの運転席から_2022年8月5日20時頃気温22度

 ようやく麓の国道が見えた頃には心身共に疲れ果てており、酷い乗り物酔いで気分もすぐれない昆虫バカセはIハカセに謝罪し、そこで解散する運びとなりました。
 結局Iハカセは、濃霧の中、無謀な昆虫バカセの計画に沿ってO峠まで上がり、一人寒い暗闇の中で怯えながら待機し、何もせず下山して解散するという、狐につままれたような仕事帰りになってしましました。「Iハカセ、すみませんでした。今度は必ず成功させます。」

 たまには自然に翻弄されることもあります。自然をなめてはいけません。

 2022年8月9日夜  猛暑日の夜21時頃、里山MHの見晴らしの良い丘の上からライトビームを天に向けて照射してみました。

里山MHの丘の上でライトウォッチング_2022年8月9日20時45分気温28度

 今夜は曇り空であるものの満月に近い月夜なので、昆虫達にとってライトビームはさほど魅力的ではないかもしれません。
 思った通り、昆虫の集まりは鈍い感じでした。いつもと違うのは、つや消し黒が際立つオオクロコガネが多く集まったことでした。

 オオクロコガネ_里山MHの丘の上でライトウォッチング_2022年8月9日20時45分気温28度

 いつものように、ドウガネブイブイも多く集いました。光が反射する地面に強くぶつかって脳震盪を起こすのではないかと心配するような行為を繰り返していましたが、めげずに離着陸を繰り返していました。

ドウガネブイブイの離陸_里山MHの丘の上でライトウォッチング_2022年8月9日21時10分気温28度

 すると、地面に一瞬”ギョッ”とするような、宇宙人を連想させるような蛾がとまっていました。後で調べると、ごく普通種のモンクロシャチホコ蛾と分りましたが、昆虫バカセは始めて認識しました。羽の畳み具合で擬態を示していると思われる背中の表情が(体を細くするほど、怒っている風に)変化している面白い昆虫でした。

モンクロシャチホコの変化_里山MHの丘の上でライトウォッチング_2022年8月9日20時45分気温28度

 1時間程続けて新たな訪問者も無いようでしたので、ライトウォッチングを終え帰りがけに22時頃、団地前のクヌギに立ち寄りました。先ず最初に目にしたのは、ゲジがキノカワガを捕食しているシーンでした。

キノカワガを捕食中のゲジ_団地前のクヌギ_2022年8月9日22時05分気温28度

 「うぇ~」と思いながら目線を少し上げると、次に目にしたのは、これぞ真夏の樹液というシーンでした。最近はライトウォッチングにはまっていましたが、やはり 夜の樹液ウォッチングは面白いと実感しました。写真中央のクワガタの雌は見た目に大きいので、ヒラタクワガタかなと思いましたが、手にしてみると体長約29mmのコクワガタでした。

樹液に集ったカブトムシ♂、コクワガタ♂♀他_団地前のクヌギ_2022年8月9日22時05分気温28度  

 2022年8月10日  現在、昆虫バカセ研究室で実験飼育中のクワガタ4種の雌達です。これらは全て昆虫バカセフィールド(多摩地区)にルーツを有します。

ノコギリクワガタ♀、オオクワガタ♀、コクワガタ♀、ヒラタクワガタ♀_どれも昆虫バカセフィールドルーツ

 左からノコギリクワガタ、オオクワガタ、コクワガタ、ヒラタクワガタです。雌は角の形状では判断できず全体のフォルムで見分けます。見慣れれば1目で分ります。
 それぞれ目的があって飼育しています。ノコギリクワガタはライフサイクルの確認が目的でしたが、その目的はほぼ果たしたので放虫する予定(この個体は放虫し漏れた個体)です。2020年に野外で採取した個体の子供で2020年秋に孵化、2021年秋に羽化、2022年夏に活動を開始しました。
 オオクワガタは純粋種か交雑種かを見極める目的でしたが、オオクワガタと見極めました。2021年の7月にクヌギ林で瀕死の状態で見つかった雌個体の子供です。終礼幼虫になるまで(気が付かず)親虫の飼育ケースで育ったため兄弟の中で最も小さい(体長34mmの)個体になりました。今後は、コクワガタ雄との間で(もう1度)チュウクワガタの誕生とチュウクワガタの生態を調査する目的で実験飼育を継続する予定です。
 コクワガタは、昨日 団地前のクヌギで採取した体長が29mmと比較的大きい個体で、小さな(体長35mmの)オオクワガタ雄との間で、先のに対し♂/♀反対の組み合わせによるチュウクワガタ誕生と生態調査を行う予定です。
 ヒラタクワガタは、2021年7月に採取した個体で、多摩地区で見つかるヒラタクワガタは雄雌共に小さな個体ばかりなので、遺伝子的に小さいのか環境因子により小さいのかを見極める目的でしたが、2022年に羽化したこの子供の体長最大は、雄53mm、雌33mmでした。雄雌共に両親よりは大きくなりましたが、本来のヒラタクワガタらしい大きさには至らず微妙な結果に終わったため、今年も子供を含め一部継続して実験飼育中です。2021年は幼虫飼育にヒラタケの菌床を用いましたがこれが適さない可能性があり、今年は醗酵マットを用いる予定です。子供の大半(6匹程度)は、放虫しました。

 次の写真の上段は、先ほどと同じオオクワガタ、コクワガタ、ヒラタクワガタの雌です。下段は左からコクワガタ、ヒラタクワガタ、オオクワガタの雄です。

オオクワガタ♀、コクワガタ♀、ヒラタクワガタ♀、コクワガタ♂、ヒラタクワガタ♂、オオクワガタ♂_どれも昆虫バカセフィールドルーツ

 コクワガタの雄は、7月20日に利根川河川敷で採取した顎の形状が変な個体で、両顎の先端が欠損しているだけであったことが判明しました。今後は、上段のオオクワガタの雌とペアにする予定です。
 ヒラタクワガタの雄は、先のヒラタクワガタ雌の子供で(親虫の飼育ケースで羽化した)最小の個体です。放虫を予定しています。
 オオクワガタの雄は、先のオオクワガタ雌の兄弟で(やはり親虫の飼育ケースの中で終礼幼虫まで育ったため)体長が35mmと極めて小さい個体で、上段のコクワガタ雌とペアにする予定です。

 2022年8月14日朝  夜中に台風が通過した直後・小雨降る朝7時前後、気温26度の中、いつもの樹液を昆虫ウォッチングしました。
 団地前のクヌギでは、木肌全体が濡れていましたが、微かに樹液の醗酵臭が漂っていました。正面には、カブトムシの雄が唯一匹陣取っていました。よく見ると、下側(メイン)の角が折れていました。蛹の時点で問題が生じたのでしょうか?

カブトムシ♂_台風通過直後の小雨降る朝_団地前のクヌギ_2022年8月14日6時45分気温26度

 右側面・頭上には、ノコギリクワガタの雄が陣取っていました。

ノコギリクワガタ♂_台風通過直後の小雨降る朝_団地前のクヌギ_2022年8月14日6時45分気温26度

 何となく姿勢が浮気上がっている様子なので 背面から覗くと、雄の下に雌もいました。

ノコギリクワガタのペア_台風通過直後の小雨降る朝_団地前のクヌギ_2022年8月14日6時45分気温26度

 ヤナギ林のヤナギの枝先でも、ノコギリクワガタのペアが見つかりました。

ノコギリクワガタのペア_台風通過直後の小雨降る朝_ヤナギ林-ヤナギの枝先_2022年8月14日7時10分気温27度

 今朝はシラカシの洞の中でも、小さなノコギリクワガタの雄が見つかりました。コクワガタは見かけませんでした。樹液が強い風雨で洗い流された後のコンディションでも、飛翔力が優れたノコギリクワガタは、僅かな樹液の匂いを嗅ぎつけて、集まって来たのかもしれません。

 

 2022年8月15日夜  20時頃、樹液ウォッチングに出かけました。蒸し暑く気温は30度。
 まず 団地前のクヌギでは、正面の樹液でコクワガタのペアが2組見つかりました(写真はその内の1組)。

コクワガタのペア_団地前のクヌギ_2022年8月15日19時45分気温30度

 目線をやや上に向けると、葉上でハラビロカマキリの終礼幼虫が見つかりました。

ハラビロカマキリの幼虫-1匹目_団地前のクヌギ_2022年8月15日19時45分気温30度

 後ろ側でも、幹でファイティングポーズをとるハラビロカマキリの終礼幼虫がみつかりました。今がハラビロカマキリの樹液デビュー時期と思われ、終礼幼虫になって体力をつけ満を持して樹液を刈場に訪れたのでしょう。

ハラビロカマキリの幼虫-2匹目_団地前のクヌギ_2022年8月15日19時45分気温30度

 つぎに 大木クヌギでは、最初に目線から目線のやや上側に目をやると カブトムシの雄1匹しか目に入りませんでしたが、その後 ごく足下(根元)に目を落とすと、カブトムシ(雄)、ノコギリクワガタ(雄)、コクワガタ(雄)が揃って見つかりました。気が付くのが遅く、クワガタは大半が逃げ散った後だと思われます。

カブトムシ、ノコギリクワガタ、カブトムシ_大木クヌギ_2022年8月15日19時55分気温30度

 さいごに ヤナギ林では、数箇所でカブトムシやノコギリクワガタが見つかりました。枝先のヤナギでは、交尾中のノコギリクワガタの雄が 目の前の別の2匹の雌に興味を示すように、覆いかぶさっていました。このような数の割合の場面に遭遇するのは始めてです。

ノコギリクワガタのペア+2♀_ヤナギ林-枝先のヤナギ_2022年8月15日20時15分気温30度

 帰り際に ヤナギ林横のカマキリ草(ヤブガラシ)では、食事中のオオカマキリの雌が偶然目に入りました。オオカマキリは、この時期 成虫になったばかりと思われます。獲物はまさかと思いましたが、

ヤブキリ♀を食べるオオカマキリ♀-1_カマキリ草(ヤブガラシ)_2022年8月15日30時15分気温30度

 ヤブキリ(の雌)でした。ヤブキリもキリギリス界最強のハンターで、恐らくここに多く集まるオンブバッタを狩るためにやってきたのでしょうが、運悪く大きなカマが不意に降り下りたのでしょう、「昆虫バカセ どうだ、ヤブキリを狩ったぜ」と言わんばかりに、片カマで 既に前足や触角が欠損したヤブキリを持ち上げて見せてくれました。

ヤブキリ♀を食べるオオカマキリ♀-2_カマキリ草(ヤブガラシ)_2022年8月15日30時15分気温30度

 2022年8月20日昼  11時頃 奥さんのクルマでのおつかいに同行した帰りに団地前に立ち寄ってもらい、クヌギを確認すると、3匹のサトキマダラヒカゲが仲良く樹液を吸っていました。

サトキマダラヒカゲ-3匹_団地前のクヌギ_2022年8月20日11時15分気温30度

 そこへ”ブー-ン”とオオスズメバチがスクランブル接近し、一瞬のうちにサトキマダラヒカゲを追い払いました。そろそろ、オオスズメバチの季節です。

サトキマダラヒカゲの群れにオオスズメバチがスクランブル接近_団地前のクヌギ_2022年8月20日11時15分気温30度

 木の裏側では、真昼なのにコクワガタのペアが見つかりました。

コクワガタのペア_団地前のクヌギ_2022年8月20日11時15分気温30度

 2022年8月20日夕方  昆虫バカセは今週の初め、ランニング中に転倒し肋骨が折れ 折れた肋骨の一部が肺を傷つけ気胸を患いました。緊急入院したものの大事には至らず直ぐに退院しましたが、しばらくはクルマの運転や運動ができず、しかたがなく歩いて ごく近所をウォッチングしました。
 まず18時半頃、宅地の脇に残った雑木林に行ってみると、今まで鬱蒼としていた木々が間引かれ 下草が刈られて 陽が入るようになっており、そのせいか そこに生えている過半数のクヌギやコナラから樹液が浸み出ていました。クヌギの大木の根元では、カブトムシ、カナブンが見つかりました。

カブトムシ♂、カナブン_中学校裏の林_2022年8月20日18時30分気温28度

 別のクヌギの根元付近では、ノコギリクワガタのペアが見つかりました。ここでは、他にも多数のノコギリクワガタが見つかりました。

ノコギリクワガタのペア_中学校裏の林_2022年8月20日18時40分気温28度

 多くのクヌギ、コナラの大木の根元付近を中心に、円周方向に樹液が浸み出る箇所が点々と広がっています。

オオスズメバチ、コクワガタ♀_中学校裏の林_2022年8月20日18時35分気温28度

 ここには、3匹のオオスズメバチとコクワガタが集まっていました。8月後半になり、オオスズメバチが徐々に目立ってきたので、気をつけなければいけません。

オオスズメバチ、コクワガタ♀(拡大)_中学校裏の林_2022年8月20日18時35分気温28度

 今年始めて、ハラビロカマキリの成虫が見つかりました。カマのすぐ下には オオナガコメツキムシがいましたが、どうやらこれはターゲットでは無いようです。風も無いのに体をゆらゆらさせているのは、葉っぱに見せて(化けて)獲物を待ち伏せするためのようです。

 つぎに19時20分頃、市で保全している緑地の遊歩道を歩いていると、甘酒のようなもの凄く甘い強い樹液臭が漂ってきました。しかし 左右前後を見回しても、その匂いの元となる木は見つかりません。「変だな~」と思いながら20m程前進すると目の前に「あっ、これか~」と、すぐに匂いの正体がわかりました。

樹液が一番匂っていたクヌギ_緑地A_2022年8月20日19時20分気温28度

 多くのスズメ蛾(おそらくコスズメ蛾)が周囲を飛んでおり、オオスズメバチの羽音も2重,3重に聞こえるため、遊歩道とはいえ 構わず前進できず、しばらくは様子を見ていました。状況を見極めてから近づくと、ノコギリクワガタの雄が3匹(写真は2匹)、アカアシオオアオカミキリが見つかりました。

ノコギリクワガタ_樹液が一番匂っていたクヌギ-緑地A_2022年8月20日19時20分気温28度  

 このクヌギから浸み出る樹液の量は、昆虫バカセフィールドで今年最高レベルです。こんな凄い木がごく近所にあったとは、灯台もと暗しでした。見つけられたことは、まさに怪我の功名です。しばらくは、この木を定期的にチェックしたいと思います。

 2022年8月21日夜  19時過ぎ、近所の雑木林と保全緑地をウォッチングしました。まず 宅地の脇に残った雑木林をウォッチングすると、やはり多くのノコギリクワガタが見つかりました。このクヌギの樹液では、ノコギリクワガタの雄3匹と雌1匹、コクワガタの雄1匹が見つかりました。

ノコギリクワガタ3♂1♀、コクワガタ1♂_中学校裏の林_2022年8月21日19時10分気温29度

 別のクヌギの樹液では、ノコギリクワガタの雄1匹と雌3匹、コクワガタの雄1匹が見つかりました。他の木にも、特にノコギリクワガタの雌が点々と付いていました。この時期にしては多く、何故なのか?

ノコギリクワガタ1♂3♀、コクワガタ1♂_中学校裏の林_2022年8月21日19時15分気温29度

 つぎに 保全緑地の樹液の匂いプンプンのクヌギでは、やはり複数のスズメ蛾が ホバリングしながら上手に樹液を吸っていました。正面の樹液ではコスズメがホバリングしていました。

 全て同じ種類かと思ったら、背面の樹液では綺麗なベニスズメがホバリングしていました。これから増えるハラビロカマキリには要注意でしょう。色合いが目立ち 幹すれすれを低速でホバリングしているため、その格好の餌食になるでしょうから。

 アカアシオオアオカミキリのペアが連れだって、幹をせわしなく動き回っていました。カナブンと同じように光の当たり具合によって、緑色にも金色にも見える綺麗なカミキリムシです。この2箇所では毎度見かけます。

 2022年8月23日夜  20時頃、近所の雑木林と保全緑地をウォッチングしました。まず 宅地の脇に残った雑木林をウォッチングすると、ここでは始めて ノコギリカミキリに出会いました。2匹と出会い、それぞれ別々のクヌギの幹を這っていました。

ノコギリカミキリ-クヌギの幹_中学校裏の林_2022年8月23日19時55分気温30度

 太いクヌギの樹液では、コクワガタのペアが見つかりました。

コクワガタのペア-クヌギの樹液_中学校裏の林_2022年8月23日19時55分気温30度

 比較的細いクヌギの樹液では、ノコギリクワガタのペアが見つかりました。

ノコギリクワガタのペア-クヌギの樹液_中学校裏の林_2022年8月23日19時50分気温30度

 その上を見上げると、肉眼では良くわかりませんでしたが、クワガタらしき影が群れていました。後で写真で確認すると コクワガタらしきが7匹、カブトムシが1匹、ノコギリクワガタらしきが1匹確認出来ました。ムクゲコノハ蛾も確認できました。

コクワガタ多数、カブトムシ、ハラビロカマキリも潜伏-クヌギの樹液_中学校裏の林_2022年8月23日19時50分気温30度

 今日も、アカアシオオアオカミキリのペアに出会いました。

アカアシオオアオカミキリのペア-クヌギの幹_中学校裏の林_2022年8月23日19時50分気温30度

 今年始めて、樹液周辺で ヤモリに出会いました。2匹と出会いました。クヌギの幹に静止していれば、保護色で殆ど分りません。

ヤモリ-クヌギの幹_中学校裏の林_2022年8月23日19時50分気温30度

 今年始めて、褐色のハラビロカマキリの幼虫に出会いました。クヌギの幹で、ボクサーのようにじっとカマえていました。ヤモリ同様、木肌に対して保護色なので、木の幹や樹液での狩りには好都合でしょう。褐色のハラビロカマキリは滅多に見ることはなく、見つかるハラビロカマキリの中で1%以下の確率だと感じています。

褐色のハラビロカマキリの幼虫-クヌギの幹で獲物を狙う_中学校裏の林_2022年8月23日19時45分気温30度

 目線を上に向けると偶然、枝先でハラビロカマキリが捕食中でした。頭部は殆ど食べ終えていましたが、白い腹部が見えるので、獲物はおそらくヒグラシだと思います。夕暮れ時に「カナカナ・・」鳴いていたところを、襲われたのでしょう。

ハラビロカマキリ-ヒグラシを捕食-クヌギの枝_中学校裏の林_2022年8月23日19時55分気温30度

 大きめのカブトムシの雌とやはり大きめのノコギリクワガタの雌が仲良く樹液を吸っていました。産卵に備えて、栄養を蓄えていたのでしょう。

カブトムシ♀、ノコギリクワガタ♀-クヌギの樹液_中学校裏の林_2022年8月23日19時50分気温30度

 クヌギの根本付近の樹液では、カキバトモエ蛾が見つかりました。羽が一部四角く欠損していました。ハラビロカマキリに襲われて、九死に一生を得たのではないでしょうか。

カキバトモエ蛾(ハラビロカマキリに襲われたのか)-クヌギの樹液_中学校裏の林_2022年8月23日19時50分気温30度

 つぎに 保存緑地を覗くと、樹液ダラダラのクヌギで、コスズメ蛾、カブトムシの他に、根本付近ではツズレサセコオロギが4~5匹樹液に集まっていました。過去に、樹液でコオロギを確認した記憶はありません。

ツズレサセコオロギの幼虫_樹液が一番匂っていたクヌギ in 緑地A_2022年8月23日20時10分気温30度

 今日は自宅近所の2箇所を巡り、ノコギリクワガタとコクワガタはそれぞれ20匹以上、カブトムシ、ハラビロカマキリは10匹以上が確認できました。体調が完全であれば訪れないであろう、ごく身近な宅地に囲まれた僅かな緑ですが、まるで自然が凝縮されたオアシスのような空間に思えました。昨今の河川敷の護岸工事などで行き場を失った昆虫達が、ここに活路を見出し集まったのではないでしょうか。このような状況が末永く続くと良いのですが・・。

 

 2022年8月25日夜 気温25~26度 昆虫バカセの体調も概ね回復したので、仕事帰りのIハカセを利根川河川敷で待ち受けて、ライトウォッチングしました。
 まず 昆虫バカセが早めに利根川入りし、どこにライトビームをセットするか下見しました。その結果、前回ウォッチングした広大なヤナギ林の上空に、川側から(土手方向に向けて)あてることにしました。しかし17時頃から1時間ほどヤナギ林を散策して、ノコギリクワガタの雌1匹しか見つからなかったことが気になっていました。
 19時前にIハカセがお見えになり、丸小石が広がる川岸に白いビニールシートを広げ、その手前にライトをセットし、いよいよライトウォッチングを開始しようとしたところ、Iハカセは勘違いされたのか?白いシートの上に膝を下ろし、くつろぎ始めました。「Iハカセ、それは飛来した昆虫を待ち受けるシートですよ!」

ライトウォッチング開始前_くつろぐIハカセ_利根川河川敷_2022年8月25日19時気温26度

 19時頃開始すると、やはりすぐにコガネムシの仲間が集まり始めました。クワガタが飛来する気配は一向に感じません。20時頃、念のため シートの上を確認すると、やや細めのクワガタらしき大顎が目に付きました。

何者だ?_ライトウォッチング_利根川河川敷_2022年8月25日20時5分頃気温26度

 「来た~ え、新種?」と思いましたが、動きが変!? 大顎が足早に後退して行きます。このような動きが出来るのは、残念! ハサミムシでした。

ハサミムシ_ライトウォッチング_利根川河川敷_2022年8月25日20時5分頃気温26度

 結局 21時の段階で、3種類のコガネムシ(ドウガネブイブイ、アオドウガネ、スジコガネ)が飛来しました。これらは希少種ではありませんが、とても綺麗な甲虫です。

3白湯類のコガネムシ_ライトウォッチング_利根川河川敷_2022年8月25日21時頃気温26度

 ここで、成果が今一つということで、ライトウォッチング司令官を昆虫バカセからIハカセに交代しました。Iハカセは自信たっぷりに ライトの向きを180度転換し中州に向け、ビームを水面すれすれに低くし、中州に生える川縁のヤナギの枝にあてました。

ライトウォッチング司令官Iハカセ_ビームを90度転換、低いビームを中州のヤナギに向けた_利根川河川敷_2022年8月25日19時気温26度

 さあ、結果はどうか? Iハカセが悠然と審査員席で待機すると、昆虫は殆ど飛来せず、ライトビーム沿いの川面に魚が飛び跳ねるようになりました。どうも、ビームに惹きつけられた小さな昆虫を狙って、魚が集まってきたようです。「I司令官、目的が違います。今日は、昆虫ウォッチングではなかったのでしょうか?」
 結局、Iハカセと共働のライトウォッチングは、前回に続いて悲しい結果になりました。

 2022年8月29日夕方  17時頃、気温25度 キリギリスが群生する草原の定点で、じっと(昆虫バカセの)気配を殺してたたずみ、周囲をウォッチングしました。
 目が慣れてくると、様々な昆虫が見えてきます。最初に ショウリョウバッタの雄が見つかりました。

ショウリョウバッタ_キリギリスの草原_2022年8月29日16時25分頃気温25度

 次に トノサマバッタの緑色型が見つかりました。体が大きいので雌だと思います。

トノサマバッタ(緑色)♀_キリギリスの草原_2022年8月29日16時30分頃気温25度

 こんどは トノサマバッタの褐色型が見つかりました。体が小さいので雄だと思います。トノサマバッタを正面から見ると 仮面ライダーのようです。それもそのはず、そのモデルですから。

トノサマバッタ(褐色)♂_キリギリスの草原_2022年8月29日16時10分頃気温25度

 さらに トノサマバッタの褐色型が見つかりました。どうやら 用をたしているようです。リラックスしきっているのか? 昆虫バカセの気配に全く気が付いていない証拠です。

トノサマバッタ(褐色)♂_用たし中_キリギリスの草原_2022年8月29日16時10分頃気温25度

 イチモンジセセリも、リラックスモードで羽を広げています。

イチモンジセセリ_キリギリスの草原_2022年8月29日16時10分頃気温25度

 モンキチョウも、ムラサキツメグサの蜜を悠々と吸っています。

モンキチョウ_キリギリスの草原_2022年8月29日16時25分頃気温25度

 しかし、油断は禁物です。オオカマキリの雌が、草陰から凝視しています。カマキリの目線の先は、セセリかモンキチョウか? いや、どうも昆虫バカセのようです。トノサマバッタには気付かれなくても、ハンター オオカマキリには、バレていたようです。さすが!

オオカマキリ(緑色)♀_キリギリスの草原_2022年8月29日16時30分頃気温25度

 さらに、オオカマキリの雄も、昆虫バカセの(不審な)挙動をじっと見張っているようです。オオカマキリが目立つようになると、夏も終わりに近いのか?

オオカマキリ♂_キリギリスの草原_2022年8月29日16時40分頃気温25度

 キリギリスも絶え間なく「チョッ ギース 、ギース」と連れ鳴きしていますが、姿は見えません。何となく 連れ鳴きする間隔が長くなったと感じるのは、秋が近づいたでせいでしょうか? 

 

 このような自然に触れると癒やされます。現在の自然は維持したいと願ってやみません。

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内容 東京・昆虫ウォッチング(東京の昆虫)・夏本番
Eメール hydro-servo-k@ab.auone-net.jp
作者 昆虫バカセ
更新日 2022年8月30日