2022年3月24日 2週間前にはまだ、トウキョウサンショウウオの卵塊が見つからなかったため、今日はどうなのか? 近くのトウキョウサンショウウオが生息する里山3箇所をウォッチングしながら巡りました。
先ず13時頃、里山Sの林道脇にある小さな水溜まりを確認しました。ここは2週間前には完全に乾燥して生命の気配がありませんでしたが、今日は、その間(3月18~19日、22~23日)に降った雨のおかげで、潤っていました。しかし、生き物は見つかりませんでした。
林道を歩いていると時折、テングチョウが急に目の前に現れたかと思うとさっと消え去り、まるで忍者のごとく変幻自在に飛び回っていました。こんどは目の前の半ば枯れ葉で覆われた地面に止まったので、撮影できました。
テングチョウとはよく言ったもので、天狗のように鼻が伸びています。
次に14時40分頃、里山Hの山際にある水溜まりを確認しました。ここでは、前回(3月9日)と同様に、ヤマアカガエルの卵塊が見つかりました。
また、ヤマアカガエルの卵塊は一部孵化し、オタマジャクシになっていました。
次に(最後に)、最も広い里山Yを巡りました。
先ず、一の沢の上の池と下の池をつなぐ小さなせせらぎ付近で、「グッグッグッ・・」とカエルらしき鳴き声が聞えたので そっと近づいて見ると、手のひらより少し大きいぐらいの泥の塊が動めいていました。
正体を確認するために、その物体を囲んで右回りに90度移動すると、それは交尾中のアズマヒキガエルだと分かりました。
そっとでしたが、私がじっと見つめたものだから、恥ずかしくなったのか? 2匹はさっと離れ、水中に隠れてしまいました。”水遁”の術を使ったつもりなのでしょうが、水は透明なので頭が丸見えでした(かわいい!)。
「そうか、そろそろヒキガエルの産卵時期か」と思いながら、周囲を見渡すと、アズマヒキガエルの卵塊も見つかりました。
さらに、見た目で卵をもっていると分かる雌も見つかりました。じっと夜の産卵をまっているのでしょう。
さらに、ヒキガエルの鳴き声が盛んな方にせせらぎを辿って行くと、下の池では、10数匹のアズマヒキガエルが戯れていました。
次に、(麓から100程登った)山の頂上付近の谷間にある小さな水溜まりを確認しました。ここでは2週間前には、何も見つかりませんでした。
近寄って「ここにもたぶん無いよな~」と思いながら探すと、ありました。トウキョウサンショウウオの卵塊が今年初めて見つかりました。2対の小さなバナナ状の形をしているので、間違いありません。
さらに、凝視すると、また見つかりました。
目が慣れてくると次々に見つかり、結局6対見つかりました。中には、小枝にぶら下がったような状態のものもありました。まだ、あまり水分を吸って膨張していない状況から、産卵後間もないものと思われます。
次に、山の中腹付近の林道を(太いコンクリート管を介して)横切って流れる水が、ちょうど林道脇で淀んでいる場所を確認しました。ここでも、2週間前には何も見つかりませんでした。
近づいて凝視すると、1対だけ見つかりました。しかし、2つの(1対の)卵塊の間には小石を介して少し距離があり、それぞれの卵塊の近くには白いマユのような物体がありました。謎です。
次に、山の麓付近の林道脇の水溜まりを確認しました。ここは2週間前には完全に乾燥し、生命感が感じられませんでした。2週間前(3月9日)はこんな感じでした。
しかし、今日は1週間前から(3月18日以降)の数回の降雨によって、少し潤っていました。
近づいて凝視すると、1対だけ見つかりました。ということは、今年のトウキョウサンショウウオの産卵は、この1週間以内に始まったことが分かります。まだ、このあたりの東京の里山に、この希少種の生息が確認できて安心しました。
2022年4月4日雨天 12時30分頃、昼食をとろうとリビングに入ると、カーテン(とガラス戸+網戸)超しに、庭のブロック塀の上のスズメの餌場に、いつもとは 違う小さい黒い影が見えました。そっと近づくと、それは初めての来訪者”ドブネズミ”でした。思わず カーテンをめくって撮影しましたが、ガラス戸(+網戸)超しにしばらく覗いても、全く動じる様子はありません。いつものスズメ達なら、カーテンが閉ったまま近づくだけで(私の気配を感じるのか)逃げてしまうのに、大した(図太い)神経です。
2年ほど前から、餌場には毎朝、アワとヒエのむき実を置くようにしており、毎日多くの雀たちがやってきます。たまにヒヨドリもやってきますが、ドブネズミは今日が初めてです。昨年末には家の1階と2階の天井裏でクマネズミが走り回るようになり、奥さんがややパニックになり(対策し)ましたが、今回は、尾っぽが短いのでクマネズミではなくドブネズミだと思われます。今日は雨天なので、スズメ達の来訪が無い隙を狙って来たのでしょうか?
この庭では他に ネコ、ハクビシンを見かけたことがあります。自宅の周辺ではタヌキ、アライグマも見かけました。次の新たな来訪者をお待ちします。来る者は拒まず大歓迎です。(ただし、奥さんには内緒です。このことが知られると、餌場が撤収されてしまいます。)
2022年4月6日 仕事に向か途中 寄り道して、里山Hに立ち寄りました。周辺にはのどかな集落が広がっています。
集落のところどころに、”ハナモモ”と思われる綺麗なピンク色の花があちこちで咲いていました。
山際の水溜まりに向かう道中、山道にさしかかったところの道際でアオダイショウを見かけました。風に吹かれて揺れる草に同化するように頭を揺らしながら、這い進んでいました。
山際の水溜まりでは、水溜まりの面積のおよそ7割がセリ科の植物で覆われていました。この植物は数年前には見かけませんでした。
今日こそはここでも、トウキョウサンショウウオの卵塊が見つかるか?と興味津々に水溜まりを覗くと、そこにはかなり成長したヤマアカガエルのオタマジャクシが、ところどころにに群れ集まっているだけでした。
ふと右を向くと、10m程先に前回(3月24日)訪れた時にはなかった直径1m程の水溜まりが出現していました。おそらく、2日前に丸1日続いた本降りの雨によってできた一時的なものだと思われます。
念のため確認すると、やはり何も居ません。いや何か気配を感じ、しばらく凝視すると、アカハライモリが1匹、2匹、・・合計4匹見つかりました。水温が低いのか、殆ど動きません。
仕事中、さっきのアカハライモリのことが気になっていました。あのテンポラリーの水溜まりには他に生き物は居なかったため、イモリは餌を食べにやって来た訳ではない。それなら何故わざわざあそこに来たのか?
その答えを求め、仕事帰りに寄り道してもう一度暗闇の中、山際の水溜まりに立ち寄りました。
ライトを照らさなければ一寸先も闇の暗黒の山際で、水溜まりを覗くと、朝方はヤマアカガエルのオタマジャクシしか居なかった水溜まりに、アカハライモリが30匹ほど群れていました。
それならテンポラリーの小さな水溜まりの方はどうか? こちらでも10匹、アカハライモリが見つかりました。
「そうか、アカハライモリは産卵のために水溜まりに集まったのか」と納得しながら、メインの水溜まりをもう一度覗くと、ある一匹のオスが執拗に一匹のメスにアタックをかけていました。強引に追尾し、キスし、尾っぽを曲げて震動させるイモリ固有の繁殖行動を見せながらさらに追尾し、ついにキレたメスに腹を噛みつかれ、しまいには腹をねじられながら投げ飛ばされ、哀れにも去っていきました。
数年前、少なくとも10年前にはこの時期、ここでは多くのトウキョウサンショウウオの卵塊が見つかりましたが、今年はついに1つも見つかりませんでした。その理由が分かりました(分かった気がします)。アカハライモリが増え過ぎたためだと思います。イモリの産卵に適した小さなセリ科の植物が増え、イモリの個体数が増え、同時期に産卵するサンショウウオの卵塊や幼生をイモリが食べた尽くしためだと推測しています。
アカハライモリもトウキョウサンショウウオもどちらも国内在来種なので、自然にこうなるのは仕方が無いと思う反面、10年前には殆ど無かったセリ科の植物はどこから入ったのか? これが人為的なものであったり外来種であったりすると厄介なことです。
アーカイブ 2009年6月7日 過去の記録を辿ると、里山Hの水溜まりでは、6月初め ちょうどヤマアカガエルのオタマジャクシがカエルに変態する頃、モリアオガエルの卵塊が確認出来ました。モリアオガエルは、ライバル(ヤマアカガエル)との生存競争を避け、それより4ヶ月ほど遅く産卵すると思われます。
卵塊の真下は、ちょうど水溜まりになっていて、孵化するとオタマジャクシが水溜まりに落ちる仕掛けになっていますが、下にはアカハライモリが待ち受けています。次の写真の左下隅に1匹のイモリが確認できます。
今年はアカハライモリが増殖しているので、卵塊の下で集団で待ち構えれば、孵化したてのオタマジャクシはイモリに食べ尽くされてしまいますし、モリアオガエルもトウキョウサンショウウオと同じように、もうすでにこの地域から姿を消しているかもしれません。
2022年4月9日 暖かい日が続いたので、今年初めてのクワガタとの出会いを期待して、昆虫バカセフィールドをウォッチングしました。19時頃 気温18度の中、シラカシとヤナギ林を確認しましたが、駄目でした。ヤナギ林の枝先のヤナギもまだ芽吹いたばかりでほんの少し樹液が出ている感じはするものの、クワガタを惹きつけるほどのパワーはなさそうでした。
断念して家に戻ると、昆虫バカセ研究室では、ノコギリクワガタの雌が元気にゼリーに吸い付いていました。この時期にまだ自然界でクワガタに出会えないのは、樹液が出ていないためであることは間違いなさそうです。
2022年4月10日 11時頃 陽気に誘われて、昆虫バカセフィールドを散策すると、池の中の石の上でミシシッピーアカミミガメが日向ぼっこしていました。ここは、カメの特等席らしく、この時期以降秋の終わりにかけてよく見かけます。5回に1度ぐらいは、クサガメが陣取っています。
草むらでは、アオサギがたたずんでいました。その脇で、カモが散歩していました。
葉桜の並木道では、人々が散歩していました。陽気に誘われて外に出る習性は、動物に共通のようです。
2022年4月13日 日中の気温が30度近くまで上昇し、19時現在の気温は21度、里山Hの山際の水溜まりを覗きました。ちょうど一週間前にはアカハライモリが30匹ほど集まって婚活パーティ-を行っていましたが、今日はその半分15匹程が見つかりました。
観察していると、婚活パーティーはもう終了した様子で、夕食をとりに集まっていたようです。アカハライモリは、ヤマアカガエルのオタマジャクシが群れる側で、ただ口を開けて待っていればよく、口元に来た獲物に「パクリ」と噛みつき、獲物をくわえたまま頭を振り回して獲物を少し弱らせてから「ゴクン」と飲み込んでいました。ここはさしずめ、産卵や食事に適したアカハライモリの楽園のようです。
このような自然に触れると癒やされます。現在の自然は維持したいと願ってやみません。
内容 | 東京・昆虫ウォッチング(東京の昆虫) |
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Eメール | hydro-servo-k@ab.auone-net.jp |
作者 | 昆虫バカセ |
更新日 | 2021年11月27日 |