サーボダイクッションは、サーボの一般的な用途である”位置制御”と異なり”力制御”であること、さらに力を作用させる壁が速い速度で不規則に動くこと、さらに力制御の開始時に激しい衝突を伴うことから、サーボモータを使用した同じハードウェアにおいても、サーボの中身を司るソフトウェアの出来具合に応じてサーボ性能差が生じ易いと考えられます。
自動制御技術の基本と応用さらにプラスα(独創性)、油圧技術、機械技術、力学を如何に駆使するか、それらの精通度合いおよび適用度合いによって、サーボ性能は大きく変化します。
ここでは、本スマートエコロジークッションの(プレス機械の信号は一切使用しない)ハードウェアにおいて、意図的に上記複数技術の適用度合いを調節してシミュレーションし、サーボ性能をレベル50を中央値として表現しました。
一定のダイクッション荷重設定値に対して、サージが少なく、荷重精度が良好な程、成形性の向上が期待できます。設定通りの平滑なダイクッション荷重を発生させる基本的なサーボ性能が、サーボダイクッションの生命線である変圧性能を左右するからです。成形性向上のためのサーボ性能レベルは、60以上が理想です。
以下には、サーボ性能レベル毎のダイクッション荷重制御性を示します。
自動制御技術の基本と応用さらにプラスα(独創性)、油圧技術、機械技術、力学を遺憾なく駆使し、サージの除去と荷重精度の向上それぞれのテーマを個々に意識すると、サージが皆無で荷重精度が優良な荷重波形が得られます。
1に対して、摩擦など細部の制御外乱の考慮が欠如すると、荷重精度が設定値に対し、僅かに乖離します。
2に対して、衝突(現象)に関する力学的な考慮が欠如すると、微少なサージが発生します。
3に対して、自動制御技術の+αが欠如すると、小さなサージが発生します。
ここまでは、成形性向上が期待できると考えています。
ここから先は、成形性向上が期待できないと考えています。
4に対して、自動制御技術の応用が欠如すると、サージが発生し、荷重精度も悪化し始めます。
5に対して、自動制御技術の基本が欠如すると、荷重精度が悪化します。
ここから先は、金型寿命を短くしたり、自ら(ダイクッション機械の油圧機器等)を破損させたりする悪影響が危惧されます。
6に対して、油圧技術が欠如(油圧機器の特性に関する考慮が欠如)すると、サージが大きくなります。
自動制御技術、油圧技術、機械技術、力学に関する考慮が全体的に欠如すると、サージが大きく、荷重精度が極めて悪い荷重波形が生じます。